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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのYYamadaのレビュー・感想・評価

4.2
【スパイ映画のススメ】
ミッション:インポッシブル⑦
◆組織名
🇺🇸独立諜報機関「IMF」
◆作品名:
ミッション:インポッシブル/
 デッドレコニング PART ONE
◆ミッション:
暴走AIを停止させる「鍵」争奪
◆敵役俳優
・イーサイ・モラレス
・ポム・クレメンティエフ

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・IMFのエージェント、イーサン・ハントに、新たなミッションが課される。それは、全人類を脅かす新兵器を悪の手に渡る前に見つけ出すというものだった。
・しかし、そんなイーサンにIMF所属以前の彼の過去を知るある男が迫り、世界各地で命を懸けた攻防を繰り広げることになる。今回のミッションはいかなる犠牲を払ってでも達成せねばならず、イーサンは仲間のためにも決断を迫られることになる。

〈見処〉
①不可能を超えろ——新次元の劇場体験
・『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』は、2023年公開のスパイアクション映画。『ミッション:インポッシブル』シリーズの第7作目。
・シリーズ初の2部作であり、本作は前編となる。後編である『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART TWO』は2024年6月28日に公開予定。
・タイトル「デッドレコニング」は、船舶用語「推測航法」を差し、航行した経路や距離などから過去や現在の位置を推定し、その位置情報をもとにして行う航法と今回のミッションに比喩したネーミングとなっている。
・主演はプロデューサーを兼ねるトム・クルーズ。共演はサイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ビング・レイムス、バネッサ・カービーらに加え、第1作に登場したユージーン・キットリッジ役のヘンリー・ツェーニーもカムバック。
・また、人気刑事ドラマ『NYPDブルー』のイーサイ・モラレス、『キャプテン・アメリカ』シリーズのペギー・カーター役で人気を博したヘイリー・アトウェル、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのマンティス役で有名になったポム・クレメンティエフが新たに参加した。
・監督・脚本はシリーズ第5作『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』以降のシリーズを手がけるクリストファー・マッカリー。

②史上最難関アクション
・『トップガン マーベリック』同様に自らの調達資金を駆使出来る本作シリーズのトプロデューサー、トム・クルーズは本シリーズ作品毎にスタントマンに頼らない、前人未到のアクションシーンを各作品最大の見せ場として導入し、プロモーションの目玉としている。
◆『ミッション:インポッシブル』
・CIA本部潜入、床スレスレの高さで静止する天井からのぶら下がり
◆『M:i-2』
・絶壁クライミング
・バイクチェイス
◆『ゴースト・プロトコル』
・ドバイ高層ビル「ブルジュ・ハリファ」で地上518mの外壁を闊歩
◆『ローグ・ネイション』
・離陸する飛行機にしがみつき、
 上空まで飛行。
◆『フォールアウト』
・ビルの間を空中ジャンプ
・ヘリコプターにぶら下がり、
 乗り込んだあとに飛び降りる

・本作のアクションシーンは、シリーズ最難関「ノルウェー山中の断崖絶壁からバイクで空中ダイブ」。バイクに乗ったまま断崖から飛び出し、空中でバイクから離れ、パラシュート降下する本シーンの撮影に向け、トム・クルーズは15カ月に及ぶ準備期間を用意し、スカイダイビングの厳しいトレーニングと、計536回ものジャンプ練習を実施。
・断崖1220mからのダイブ後、時速80kmに達する着地までの6秒以内にパラシュートを開かないといけない極限の本シーンの撮影は、脚本が完成するまえの本作の撮影初日に敢行している。
・それらは、前作『フォールアウト』で、ビルの屋上から飛び移るシーンの骨折により撮影が中断したことを踏まえつつ、失敗時には大事故必須となり、それまで撮った映像を無駄にしないための配慮とされている。

③結び…本作の見処は?
トム・クルーズ全盛期は今!?
◎: シリーズ随一の「アクションとユーモアの絶妙なバランス」により、「上映時間163分」を感じさせない颯爽な作品に仕上がっている。インディ・ジョーンズ最新作に足りない「体感時間の短さ」が本作には備わっている。
◎: 公開前から有名な「バイク・ダイブ」アクション。無音のサウンドとカメラワークの相乗効果により、成功することが分かっていても、大変な緊張感を与える名場面。
◎: 本作直前の公開作品『ワイルド・スピード ファイアーブースト』 とローマ市内のカーチェイス、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』と列車内アクションのシーンか被っているが、アクションの質は本作が勝る。
○: 2人の「マーベル作品女優」、ヘイリー・アトウェルとポム・クレメンティエフは適材適所のキャスティング。更なる活躍が予想される後編では、二人の代表作は、『キャプテン・アメリカ』と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.2』でなくなっているかも。
▲:「ストーリー考えず、アクションを感じる作品」であることはシリーズの伝統でありながら、本作の脚本に目新しさはなく、作中に登場する陣営が多すぎて、それらの利害関係はなかなか理解出来ない。理解せずに楽しめば良い作品だろう。
▲: バイクダイブシーンの後のストーリーとの接続シーンの映画のセオリーを越える「後づけ感」もある意味、見どころとなっている。
▲:「エンティティ」を「それ」と邦訳する違和感あり。
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