"私決めた、パリへ行く…クリスチャン・ディオールのドレスを買うの…"
戦争で夫を失い家政婦として働くミセス・ハリスに運命の出会いが…彼女を魅了したのは一着のドレス…
500ポンドというトンデモない値段に慄きながらも夢のドレスを手に入れる為と懸命に働くミセス・ハリスに幸運が舞い込み、念願のパリへ…
ここのところ重めな作品の鑑賞が続いたこともあり、ここは一つほっこり出来る作品をと本作をチョイス…見事に悪い人が一人も出てこない素敵な作品である上に、何だか元気まで貰っちゃって…
"今日はラッキー・デー"とどこまでも夢に向かうミセス・ハリスの笑顔が、新たな人の繋がりを生み、やがて大きな奇跡を生み出す…レスリー・マンヴィルの何とも可愛らしくも確かな演技力が主人公を際立たせています。
労働者のストにより、街にゴミが溢れまくるパリの情景とクリスチャン・ディオールの美しいデザインのドレスの数々との対比が面白いのです。
パリが舞台ですが何となく"ローマの休日"をオマージュしているかのようなカットや、心根の優しいモデルがオードリー・ヘップバーンのようでもあり中々練り込んだ画柄なのです。
ちょっと疲れた時に観ると、そっと背中を押してくれるような…そんな気がしてなりません。
派手さはありませんが、秀作であるのは間違いありません…でも公開している劇場が少ないようで…なんか勿体無いです。