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チケット・トゥ・パラダイスのkomoのレビュー・感想・評価

4.1
関係の冷え切った元夫婦であるジョージア(ジュリア・ロバーツ)とデヴィッド(ジョージ・クルーニー)は、ひとり娘・リリー(ケイトリン・デヴァー)の独り立ちを機に、絶縁するはずだった。
だが卒業旅行でバリ島に滞在しているリリーから、二人の元にメールが届く。
現地で出会ったグデ(マキシム・ブティエ)と結婚し、バリ島に残りたいという内容だった。
弁護士としての働き口も決まっている娘に訪れた人生の大きな方向転換。娘の結婚を阻止するため、元夫婦は共にバリ島に降り立つ。


【非現実的でもいいじゃない】

『マンマ・ミーア!ヒアウィーゴー』のオル・パーカー監督による、またしてもロケーション抜群の作品!
とても楽しみにしていました😊
バリ島の様々な風景を堪能できるだけでもおすすめ度が高いです。

美意識の高い妻のジョージアは結婚前からデヴィッドのプロポーズに違和感を覚えていたのものの、引っ込みがつかなくなり結婚。
かなり早い段階からその結婚を『人生最大の失敗』だと感じていた様子。
夫のデヴィッドは美丈夫な風貌とは裏腹にちょっと抜けた人物で、若い頃からジョージアへのアプローチを模索していたものの、すべて裏目に出ていました。

娘のリリーは不仲な両親を見ながらも、ロースクールを卒業する優等生。
しかし抑圧されてきた何かがあったのか、弁護士としてのエリート人生が約束された矢先にバリ島のグデとの将来を決めます。
(親じゃなくてもやめとけってなるやつ!)

グデは最初から最後まで善良で常識的な人物。
思惑を秘めている夫妻とはかなり対比的に描かれます。
ジョージアを追いかけてくる恋人のポール(リュカ・ブラヴォー)はデヴィッドとは違ったおっちょこちょいで面白い。(無意識にそういう人を好んでいるのでは!?)

筋書きや結末は現実的ではないけれど、バリ島の嘘のように美しい光景にはそんなシナリオがマッチしていました。
だけど現実のしがらみの描き方はしっかりリアルで、登場人物たちの決断を見ていると自分の悩みもデトックスされるかのようでした。

夫婦の最後の決断は、”娘がそうさせた”ようでありながら、初めから彼らの中にあり得たルートなのではないかなと思います。

エンディングはオフショットで役者陣がはしゃぐ姿が見られます!
オル・パーカー監督の作品は撮影風景が楽しそうです😊
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