きまぐれ熊

バイオレント・ナイトのきまぐれ熊のレビュー・感想・評価

バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)
4.2
本物サンタクロースが、クリスマスの夜に富豪一家に押し入った強盗たちを成敗していくバイオレンスコメディ

サンタファンタジー×スプラッターアクション=バイオレンスコメディ
な配分で、とにかくサンタのレギュレーションがお見事。
ファンタジー要素のサンタひみつ道具と肉弾戦の強さを武器に、強盗相手に大立ち回りする。
強さの理由とその塩梅が絶妙で、シナリオ的にも最後まで設定を使い切る。
バイオレンスサンタっていうキャッチーなアイディアの1発ネタになってないので、ストーリーも見応えあるし、ちゃんと説得力がある。丁寧な脚本だ。

意外なことにアクションも結構良かった。劇中セリフからもホームアローンの引用を隠そうとしないのに恥じないアクションの見応えがあった。オマージュそのままのアクションも中盤でしっかり見せてくれるし卒がない。

キャラクター設定もなかなか絶妙。
ヒロインの女の子を除いて大体悪人だったり嫌なやつ成分強めだから、誰が死んでもそこまでストレスが無いように配慮してる上で、個性を活かし切ってシナリオが着地するのが上手い。そこそこ多めの登場人物をそれぞれ短い時間でちゃんと使い切ってる。

バイオレンスホームアローン的な印象とは裏腹に中級くらいのスプラッター具合なので見れる人は選ぶけど、倫理観はめちゃしっかりしてるので、痛いアクションが平気なら幅広くおすすめできる内容だった。
よく考えてみればホームアローンも相当痛いアクション多めだったので、イメージ的にはアレに流血+人体損壊がくっついて来る様な塩梅。とはいえ悪趣味な領域に突っ込むギリ手前くらいで笑えるバランスなので、基本的にはいい子のためにブチ切れる爽快スプラッターアクションって感じでした。
悪い子には一切容赦しないサンタの思い切りが気持ちいい。
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