きまぐれ熊

シティーハンターのきまぐれ熊のレビュー・感想・評価

シティーハンター(2024年製作の映画)
3.9
鈴木亮平目当てなら120点。

シティーハンターの再現度的にも満点。
なんだけど、単体の映画として見たらあんまり記憶には残らない感じやね。

俳優陣の演技とかアクションに関してはかなりいい。
反面、ビジュアル面がドラマの範疇を抜け切れてなくて、限られたセットの中でやりくりしてる感が強い。デッドプール1の印象とかが近いか。
連ドラならむしろこれで良いって感じなんだけど、映画としてだと再見したいと思うだけのロケーションの豊富さが今一歩欲しいって感じだった。
シナリオに関しても、獠と香+依頼人のドラマに絞った展開はアニメ版通りって感じではあるけど、映画として見るべき独自性はあんまりないので、注文したものが予想通りの味で出てきたって印象。
むしろシリアスパートに入る前のギャグ要素とかもっこりショーあたりが現代的な要素にアップデートされててクオリティ高かったかも。

香の槇村に対する心情の吐露は良かったんだけど、それがオチの黒幕に対する決着にあまり結びついてないし(原作もこんな感じだったっけ?)、シナリオのカタルシスはほぼ皆無。

アクション面は期待してよし。ジョン・ウィックの流れを汲むガンカタの系譜やね。ダイナミックな体術アクションもあるけど、とりわけ銃捌きのキレが高品質。

面白かったは面白かったんだけど、この方向性で行くなら続編は連ドラで見たいな〜。小気味よく進まないので尺感もあってないし、ロケーションや俳優陣の個性を活かすなら“いつもの”感を出せるドラマの方が美点を活かせそう。

シナリオの面白さならフランス版、再現度ならネトフリ版って感じで過去作との差別化ははっきりしてるのはいいところ。ジャッキー版は同じ名前のジャッキー映画。
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