emi

パリタクシーのemiのネタバレレビュー・内容・結末

パリタクシー(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

パリでタクシー運転手を営むシャルル
労働時間は長いが賃金は少ない。妻や娘を養うことへの不安、逼迫した経済状況と変わり映えしない日々。ぎりぎりの生活に苛立ちを募らせていた。
そんなある日、送迎の依頼が入り老婦人をパリの反対側まで乗せていくことになる。彼女の名前はマドレーヌ、穏やかだがユーモアと気品に溢れる彼女には意外な過去があり…


道中で打ち解ける系ストーリー
ベタだけど最高!

性別年齢、あらゆるものが違う2人がちょっとした悪さをしながらも寄り道をするお話。

マドレーヌの人生は、その穏やかな表情からは窺い知ることができないほど過酷だった。現在であればもっとやりようがあったのだろうけど、そうもいかない時代だった。息子を守るために行動し服役をして出て来たかと思えば、7年しか一緒に過ごせなかった息子を失う。
描かれるのは一瞬だけど、それでも女性の権利のために行動してきたのだろうな。

不思議な出会いをして、困りごとを解決してくれるのはよくある展開だけど、あまりに綺麗に短時間でまとまった映画で…別れが突然すぎてシャルルの気持ちに共感してしまった。

運転席と後部座席の距離が、最後は助手席に。イラついて心底ダルそうな顔をしていたシャルルが笑顔になっていく様子、とても良かった。

マドレーヌの渡した額がピンとこなくて、調べてたらあまりの金額にびっくり。
シャルルは新しい仕事を始めるのかな。家族と幸せになってくれ…。

名作でした。
『最強のふたり』とかが好きな人には特にハマるはず。
emi

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