emi

フェイス/オフのemiのネタバレレビュー・内容・結末

フェイス/オフ(1997年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

6年前テロリスト”キャスター・トロイ”に息子を殺されたFBI捜査官”ショーン・アーチャー”、執念の捜査と激闘の末、遂にトロイを逮捕することに成功する。
しかし逮捕直前トロイはロサンゼルスに細菌兵器を仕掛けていた。運が悪いことに激闘の余波でトロイは植物状態。既に投獄された共犯者でトロイの弟”ポラックス”も口を割らない。
起爆時間が迫る中、FBIは最新の整形技術を用いて誰よりトロイに詳しいアーチャー捜査官を極秘任務にあたらせることに。目覚めることがないトロイの顔をアーチャーに移植し、ポラックスから情報を聞き出させるという。難色を示すアーチャーだったが、最終的にそれを承諾。ポラックスに接触して情報を得た。だがそんなアーチャーの前に自分の顔を移植したトロイが現れ…


テロリストを追い詰めるFBI捜査官…序盤は王道アクション映画なのだけど、犯人と捜査官の顔の移植手術というトンデモ捜査が発案されたことで展開が一変していく。児童文学『王子と乞食』よろしく立場の入れ替わりが発生。たちが悪いことにテロリストのトロイはこの極秘任務を知る人々を全員焼き殺していた。
アーチャー捜査官になりすまし、自らが仕掛けた細菌兵器のタイマーを解除して一躍英雄になるトロイ。そしてトロイになりすまして潜入捜査をしていたため、警備が厳重な刑務所に投獄され身動きが取れないアーチャー。身内も家族も誰もが入れ替わりの主張を信じてはくれない孤独。

息子を殺したテロリストの顔になるというだけでもアーチャーの嫌悪は凄まじかっただろうに、挙げ句自分のふりをした犯人が自分に成り代わり仕事をして家では妻や娘と過ごしている…。自分は最も憎んでいたトロイの顔で収監されたまま死んでいくのかもしれない…想像するだけでも怖い話。自分のすべてを奪われる自己の消失、根源的な恐怖心を煽るストーリーでした。
言わずもがな複雑な物語なので、互いを演じることになる主演2人の演技が見どころ。

吹き替えでみたので個人的には豪華声優陣も嬉しかった。
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