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メトロポリスのRのレビュー・感想・評価

メトロポリス(2001年製作の映画)
3.0
うーん。面白くなくはないんやけど。何か全然気分が盛り上がらず、ノレない状態で終わってしまった。壮大なメトロポリスにそびえ立つバベルの塔のような建物ジグラットの頂点に、究極のアンドロイド ティマを据えて世界を支配しようとしている男が、早くティマを完成させるよう科学者を急かすんやけど、研究所が火事になり、完成させる前に科学者が死んでしまう。その科学者はもともと日本人の探偵とケンイチという少年が追ってた指名手配犯で、たまたまその火事で彼の遺体を発見するふたり。ティマは不完全な状態で起動し、自分の存在の真実を知らぬまま、ケンイチと出会い、関係を持ちはじめ、彼女の中に少しずつ人間らしい感情が萌芽し始める、という、筋だけ聞くと面白そうな話なんやけど、これが全然盛り上がらない。メトロポリスの圧倒的な映像美とか、カッコいいジャズmusicとかめちゃめちゃいいんやけど。まず、特に前半、キャラクター達が使ってる言葉が難しいし耳慣れな過ぎて、世界観をつかむのにかなり時間がかかる。で、1時間くらい経つまで、話がどこに向かってるのかもうひとつハッキリしないまま、BGMと正反対の歯切れの良くないモタついたテンポ…それに加えて、(これがおそらくつまらない一番の原因やと思うんやけど)どのキャラにもまったく感情移入できひんねん。主人公と言えるほどメインのキャラが不在というのもある。一応ケンイチ君をそれだと考えても、まったく人間的な深みのない、素朴でいい人の記号みたいなキャラなので、見た目はかわいいけど、最後の涙流すとこ以外、何も感じひん。最後もただカワイイだけ。で、もうひとりの青年ロック君も、何かいい感じのキャラになれそうではあるんやけど、ただファザコンという以外に何ら特徴的な性格が描かれない。終盤になって、ようやく映像のスケール感もでっかくなり、そろそろ興奮とカタルシスを味わえるかと思いきや、レイチャールズのゆったりした楽曲によって、あれ?ってくらい拍子抜け。映像はすごいんす。でもねぇ。これはちょっと……。そこそこ期待して見てしまった分、ガッカリ度の高い作品になってしまった。もんのすごく長く感じた。もう一回見ても似たような感想になりそうなので、二度目はなしで返却いたします。
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