たま

西部戦線異状なしのたまのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
4.0
無意味な争い。無意味な死。

そもそも戦争なんて、なんの意味もなさない。ただの権力者のエゴイズムだ。

上層部にしてみれば、何百万人の命が亡くなっても「西部戦線異状なし」なんだろう。

第一次世界大戦と言えば“塹壕戦”をまず思い浮かべる。
その塹壕戦をリアルに美しくも生々しく描いていて、臨場感が迫り来る。

たった数百メートルの陣地の争奪のために、塹壕戦が4年間も続き、300万の兵士が亡くなったという。

戦うのはごく普通の若者たち。前途有望で希望に満ちた未来が、本来なら待っていただろうに。
突然想像だにしなかった世界へ送り込まれる。

兵士はただの駒でしかない。
どれだけの若者が無駄死にしたのだろうか。

敵の顔は見えない、ただただがむしゃらに戦い、自分の身を守るだけ。
ところが敵の顔が見えた時、相手も同じ人間で同じ若者だと気づく。その瞬間が虚しくて…虚しくて…仕方なかった。

たった15分…たった15分で、死ぬこと以外いったい何が出来るというのか.......
ただただ憤る。

そして、現在の戦争にも思いが馳せる。
100年前と何ら変わらない。
たま

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