ケイスケ

aftersun/アフターサンのケイスケのレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
3.6
父ちゃんが頑張る映画に弱い自分😢

11歳の夏休み、トルコのリゾート地にやってきたソフィと、離れて暮らす父カラム。まぶしい太陽の下、二人はビデオカメラを互いに向け合い親密な時間を過ごす。20年後、父と同じ年齢になったソフィは懐かしい映像の中に大好きだった父の当時は知らなかった一面を見出していく。

面白かった!…けどこの映画は万人受けするかと言われたら微妙かも。撮影技術やキャストのクオリティはものすごく高いんだけど、人によっては「だから何?」となるかも。でも刺さる人にはめちゃくちゃ刺さる素敵な映画だと思います。

人間誰しも「あの時こうしていれば」という思いは抱えて生きており、人生はその連続で成り立っています。だからこそ父の年齢になったソフィが改めて父と過ごした軌跡を確認する、というのは非常に面白いストーリーだと思う。そしてその試みは成功してると思います。

最初は父と娘の何気ない旅行のシーンですが、次第に父カラムの異変に気づいてくるはず。カラムはうつ病を患っており旅行後にはおそらく自殺しています。その事実が確信に変わると本当に辛くなる。

ちょっと気になるところはソフィが11歳にしてはちょっと大人びているというか、小学生にしては映画的に誇張していると思う。13〜14歳くらいに設定した方がリアリティはあるかもしれません。ただ監督のシャーロット・ウェルズさんはこれが長編デビュー作。かなりの才能だと思います。次回作も楽しみですね。