【窓から植木鉢】2022年144本目
50年代後半。西部劇は衰退期であった。
その中でも、ハワードホークス監督は自身の西部劇へのこだわりを、ブレることなく突き通す。
主人公の保安官(ジョン・ウェイン)、アルコール依存症の部下、脚が不自由なベテランおじいちゃんの、小さな小さなコミュニティを映し出す。
殺人の現行犯逮捕で捕まえた男。
彼の兄が、その弟を檻から出そうと手段を選ばず殴り込んでくるのを阻止する話です。
ウエスタンの、独特なゆったりとした時間が繰り広げられ、物語的には単調で緊張感なども特にない。
しかし、その中でもふとした人間模様が描かれていて、愛おしい彼らの悩みを感じ取れる。
アルコール依存で手が震え、引退を覚悟している部下を他所目に、若い血気盛んな青年を雇うジョン。
おじいちゃんも見張り役ばっかりで不満なご様子。
それでも最後にはみんな活躍する。
物語の終盤にはみんなで合唱するシーンもあって、ここがなんともいえない哀愁でたまらない。