YACCO

こんにちは、母さんのYACCOのレビュー・感想・評価

こんにちは、母さん(2023年製作の映画)
3.5
山田洋次監督映画に吉永小百合と大泉洋。
原作は未読だけれど、おそらく「キネマの神様」のように、山田洋次監督脚色ではないかなと思う。
90歳を超えて映画監督として現役なだけでもすごいことだとは思うけれど、山田洋次監督の世界観がぶれない映画を生み出すこともある種すごい。
ただ、さすがに下町で個人商店をしているとはいえ、施錠なしで誰もいつでも入ってくることができるというのは、あまりにも不用心だと思うし、セリフまわしについても違和感を感じてしまった。(特に、永野芽郁演じる舞の話し方や服装にも違和感あり)
それが山田洋次脚本だと言われればそれまでなのだが、ところどころに「昭和のよき時代」の名残を感じた。
しかし、それも込みで山田洋次監督の映画なのだと思う。
何より冒頭にも書いたように山田洋次からのメッセージはぶれがないし、難解でもない。
令和の時代に、昭和の家族を直球で見せてくる。
時代が変わっても家族の在り方は、関係性は変わらないのだと。
また、人と人の関わりによって人は生きているのだと。
これといった悪い人が出てこない下町に生きる家族の姿には温かさとともにいささか懐かしさを感じてしまった自分がいたけれど。
それでも、ラスト、花火を見る親子の姿は心温まるものがあった。
映画館は自分よりも年齢の高いご夫婦や親子の姿が多かったけれど、この映画はそれでいいのかもしれないと思ったり。
ある一定の年数を生きたからこそ、感じられるものというのがあるのではないだろうか。
YACCO

YACCO