バルバワ

M3GAN/ミーガンのバルバワのレビュー・感想・評価

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)
4.0
休日出勤と父の日の合わせ技で許された映画鑑賞の機会!話題作を観るっきゃない!

いやぁ、そして親になる

あらすじは両親を亡くした心の拠り所は自分を第一優先に置いてくれる超絶暴力型モンペ気質なA.Iロボ!…的な感じです。

【如何にお手軽に子どもを育てるか】
冒頭の電子ペット(あれ可愛くなかったですねー)のCMから分かりますし、沢山の方が仰っている通りに子育ても今作の大きなテーマでした。

映画評論家の町山智浩さんもご指摘されていた通りミーガンはスマホのメタファーであり、子どもにスマホを制限なしに渡すとどうなるかという物語でもあります。
仕事柄、子どもとその保護者の方と関わる機会が多くあくまでも私の感覚ではありますが、スマホに子育ての一部を手伝わせている姿は多くなってきたように思います。確かにスマホは便利で手軽なシッターのように思いますが、多様しすぎると子ども自身がスマホから離れられなくなります、実際スマホがないと落ち着きがなくなるお子さんもいらっしゃいました。

実際、スマホは子どもの欲求に無心、無制限、無償に答えてくれます。対して親は機嫌と限界があるのでいつでも子どもの欲求に100%答えることは難しいです(私も自分のしたいことを優先して対応をおざなりにすることがあります…💦)。文字にしてみれば子どもがどちらを取るかなんて火を見るよりも明らかですね、更に書くなら子どもは自分をコントロールをする力が乏しいのでそりゃあ依存してしまいますよね。

子育てを機械に放り投げたら子どもがどうなるか、どうやったらやり直しが出来るかは作中示されますが、決着を観ると「ちょっと元通りにはいかないなぁ」と思った次第です。

【悪いの誰だ】
今作はミーガンというA.Iロボが作中暴れ回りはするのですがその状況をつくったの
観ている間、ミーガンを怖いと感じてはいるものの(暗闇の充電とか口答えとか、ギョッとなりました!)悪者とは思えず、暴力を振るわれる対象も「致し方無しッッ!┐⁠(⁠´⁠ー⁠`⁠)⁠┌ヤルシカナイネ」とイケない感想を持つような奴らなので爽快感すらありました。これは作り手の皆さんの意図された演出であると思います。では、今作で1番悪いのは誰か?

それは子育てや子どもを軽視した大人です。

個人的には"子どもや子育てを蔑ろにするんじゃない"という是枝裕和監督作『怪物』にも似たようなテーマ性すら感じました。

これは是非我が国の政治家に観てほしい!…というか国会に馳せ参じてほしいですな!!

【最後に】
かなりサラッと観ることが出来る良作なホラーでしたねー、まあゴアは控えめなので若干の物足りなさを感じました。しかしまさかの『X-MEN:ファイナル ディシジョン』のプロフェッサーXオチだとは思わなかったので鑑賞中声を上げそうになりました!

最終的に子どもと向き合うか否かという物語の落とし所としても良かった気がします(後処理は大変だと思いますが)。

続編も楽しみー
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