バルバワ

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのバルバワのレビュー・感想・評価

3.8
妻と『君たちはどう生きるか』を鑑賞する前にねじ込んだ今作。しかし、6月に観たのにまだ書き上げていないレビューがある!しかし、言いたい書きたいこの思い!…ということで順番をすっ飛ばして書かせてもらいました!

いやぁ、分からなかった。

あらすじはなんか凄いAIの鍵を皆で奪い合う!…的な感じです。

【分かりやすいと分からんのサンドイッチ】
もちろんアクションは凄いと思います。誰がどこで戦っているかが分かりやすく、カーチェイスも派手かつコミカルでご機嫌でした。列車でのアクションはCGと実写で列車のスピードの差がエグかったのですが、それでも生身でのアクションへの狂気じみたこだわりは感じました。

しかし、そのアクションの合間のストーリーは私がバカだからちんぷんかんぷんで「何でカギを返さないといけないんだっけ?」「何で何のカギか聞き出さないといけないんだっけ?」「何で今仲間割れしたの?」など余計なことに気を取られ、挙げ句カギの場所がコロコロ変わるから混乱の極みでした。

前々作と前作はもうちょっと分かりやすかったんだけどなぁ…

【分からんボス】
分からんと言えば今作のボスでして、なんだか余裕しゃくしゃくに登場して薄ら笑いを浮かべながら「君に選択肢を与えよう」と傲岸不遜なことを言ってくるボス。こういうタイプの悪役は前線に出て嫌味な程の強さを見せつけるか、前線には出ないものの嫌味な程の謀略を見せつけるか、どちらかだと思うのですが…。

戦闘力はまあまあ(一般のスリ師に苦戦)、頭脳はそこそこ(頭が良いけどうっかりさん)と、個人的には続編も引っ張る程の強敵としての魅力は感じられなかったですね。
ただ、大口叩いているクセに何かと抜けていたりボコボコにされているボスは多少のかわいげはあります。

口ほどにもない魅力のないボスとしては凄く魅力的でしたがこれはネジ曲がった感想であり、正直このボスをどのように観せたいかはよく分からなかったです。

【機微が分からん】
今作で1番分からなかったのは今作の主人公のイーサンその人の気持ちです。物語の中盤とんでもない悲劇を味わい落ち込むイーサン。

しかし、そんな中今作のヒロイン(なんと演じるはペギー・カーター!)との物理的な距離が近いということから私の"分からん"が始まり、その後自分の怒りを鎮める為に元パートナー、イルサの順で思い出すシーン、最後に思い出すのはやはり今作のヒロイン。
いや、このヒロインに夢中か。

いや、わかりますよ?今作のヒロインが生きているということは前述した悲劇で退場した人物の想いも共に生きるということなのだと思うのですが…それでも、このシリーズが好きな私はこの人物の扱いやイーサンの態度に結構ムッとしちゃいましたし、イーサンの気持ちが分からんですね。

【最後に】
AIが敵というのも生身でのアクションに対するアンチテーゼだと思いますし、次回作はそこをこそフィーチャーすると思います(『トップガン マーヴェリック』でも同じようなテーマを扱ってましたし、偶然ではありますが今のアメリカのストライキにも重なります)。にしても如何せんイーサンチームがすっとこどっこいで特に空港でのすったもんだは「ダメだコリャ」と肩をすくめたくなるのも事実でした。
なんなら彼らを追いかけるCIAを応援していましたし。あの上司に対しての啖呵を切るところ最高。

《ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー》でのマンティスでお馴染みのポム・クレメンティエフさんは凄く良くて彼女をこそもっともっと大暴れさせてくれればニコニコだったとも思います(ただ、彼女の心情も分からんのですが…)。

なんだろう…私がバカなのか、ちゃんと観ていないのか、その両方なのかも分かりませんが超ド級のアクションも霞む程頭を悩ませ、首を傾げたということに関しては今年1番かもです。
バルバワ

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