タケオ

ピラニア 3Dのタケオのレビュー・感想・評価

ピラニア 3D(2010年製作の映画)
4.1
 冒頭、湖底から大量発生した古代ピラニアたちに早々に喰い殺される釣り人を演じているのは、『ジョーズ』(75年)の海洋学者マット役で知られる名優のリチャード•ドレファス。巨大なサメに打ち勝った男も大量のピラニアには敵わなかったという爆笑ものの楽屋ネタである。
 ドレファスに限らず、『ピラニア3D』(10年)はその他のキャストも非常に豪華な作品だ。ピラニアに立ち向かう女性保安官ジュリーと海洋学者のカールを演じるのは、『バック•トゥ•ザ•フューチャー』シリーズ(85〜90年)のジェニファー役で知られるエリザベス•シューとドクでお馴染みのクリストファー•ロイド。ウェットTシャツコンテストのMCを意気揚々と務めるイーライ•ロスも印象的である。
『ピラニア3D』は、公開されるや否や酷評の嵐に晒された。いわく、「オッパイと残酷描写だらけの下品で中身のないバカバカしい作品である」と。批評家たちの言うことも間違いではない。確かに『ピラニア3D』は、「オッパイと残酷描写だらけの下品で中身のないバカバカしい作品」である。しかしだからこそ、『ピラニア3D』は最高だ。飛び出すオッパイ、飛び散る血飛沫、大暴れするピラニアたち‼︎「オッパイと残酷描写だらけの下品で中身のないバカバカしい作品」に、文句のつけようなどあるはずがない。
 『ピラニア3D』のゴア描写は、どれもこれもエクストリームなものばかりだ。ピラニアに喰いちぎられ肉体から骨が露出、ロープで真っ二つになる水着美女、スクリューに巻き込まれて顔面崩壊。人体破壊は映画の華。あまりにもあっけらかんとしているため、映るもの全てがとうとうギャグの領域にまで突入している。
 軽薄なリア充どもが血祭りにあげられる、阿鼻叫喚の地獄絵図。それこそ正に、「笑い」と「興奮」に満ち溢れた低俗エンターテインメントの楽園(エデン)なのだ。
タケオ

タケオ