ヨーク

江南ゾンビのヨークのレビュー・感想・評価

江南ゾンビ(2022年製作の映画)
3.3
新宿のシネマカリテでやっている夏の映画祭、カリコレの三本目です。
『江南ゾンビ』というタイトルからも分かるようにゾンビものですね。それもゾンビものとしてもかなりよくある、ありきたり、ベタなゾンビものであった。なんつーかまぁ、驚きのようなものは全くと言っていいほどなかった作品だけど実家のような安心感のあるゾンビ映画ではあったのでまぁこんなもんでいいんじゃないの? という映画ではありましたね。ちなみに断っておくと特に面白くはない。面白くはないけど、まぁこんなもんでしょという映画でした。
お話は何かちんけな泥棒がどっかの倉庫に盗みに入った先で猫に噛まれてゾンビ化してしまい、そこから感染が広がっていくというもの。ちなみになぜ猫に噛まれたらゾンビになったのかという説明が作中では全くなくて、そもそもいわゆるウイルス系のゾンビなのか呪術系のゾンビなのかさえ全く分からない。冒頭に新型コロナがどうこうみたいなナレーションが流れていたから多分ウイルス系のゾンビなんだろうけどそこは全く掘り下げられることはなくて、なんか知らんが猫に噛まれたからゾンビになったんだよ! という清々しいほどのぶん投げっぷりであった。んで主人公はなんかクソみたいな動画制作会社に勤めているうだつの上がらない青年なんだけど会社の同僚の女性に惚れていて、そのヒロインと一緒にゾンビ地獄を巡るというお話ですね。あ、あと一応主人公の設定としてテコンドーの全国大会で補欠だったとかいう設定あったな。多分主役を演じた人がテコンドー経験あったからそういう設定にしたんでしょうね。そういうわけで主人公は足技メインで戦います。
う~ん、ざっとしたあらすじというかどういう映画なのかを雑に羅列してみたけどもう書くことがなくなってしまった。ぶっちゃけまぁそれだけの映画ですよ。でもちゃんとゾンビがいっぱい出てくるしゾンビ映画あるあるな場面はちゃんとあったので飽きずに最後まで観ることはできたよ。まぁ寝たけど。
とりあえずすげぇ安い映画だったな。作中ではオフィスビルが一棟まるまる舞台になるんだけど、主人公と関りがあるような名前ありのキャラクターはゾンビに感染した後も血管が浮き出たメイクとか顔色が青白くされたいたりとかカラコンで異形の目になっていたりとか気を使われていたんだけど、そこら辺に湧いているモブの雑魚ゾンビなんかマジで口の周りに血糊塗っただけっていうビジュアルでしたからね。シャツには血糊が付いてたりしたけどズボンにはほぼ付いていなかったと思うからマジで金なかったんだろうなと思うよ。高校の文化祭でやるお化け屋敷レベルですよ。まぁでも、そういう安さもいい(良くないが…)というか、そもそもゾンビ映画なんて多数は本作と同じくらいの安さで作られている映画なんじゃないの? ってところはあるのでそういう意味ではゾンビ映画というジャンルとしては普通なんじゃないっていう気はする。何が言いたいのかというとだ、まぁこんな映画期待せずに観た方がいいよっていうことですよ。
見た目も安いし脚本や展開も安いし、テーマとかメッセージがあるわけでもないけどそれっぽいゾンビ映画にはなってるからまぁいいんじゃないの。バットでゾンビを殴ってるときに明らかにSEが入ってなかったりもしたけどまぁいいじゃないか。マクドナルドでピクルスが抜けてたとしても、まぁしゃあないな…で済ませるじゃないですか。
そんくらいの映画でしたね。繰り返しになるが特に面白くはなかったけどな!
ちなみにスコアは3.3で先日の『オールド・マン』と同点ですが『オールド・マン』は偶然の映写トラブルが奇跡的にストーリーとマッチしてそれも含めた上でのスコアだったので、実質は本作の勝ちです。まぁ死ぬほどどうでもいいことだが…。
ヨーク

ヨーク