おさるのじょじへい

君たちはどう生きるかのおさるのじょじへいのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.4
うぅぅ、観てよかったぁ。
スクリーンを後にしながら、思わず自分の心の声が漏れ出ていたかもしれません。

自分にとっては、どんなテーマパークに出掛けるよりも、宮崎駿監督の作品を観る方が夢の国へいざなってくれる。
(あ、ジブリパークは除く。たぶん…)
それでいて、日々の我が振る舞いを顧みようという気持ちにもさせてくれる。これは楽しむことがメインのテーマパークには、出来ることではないような。

一度目に鑑賞した際は、八十路とは思えぬ監督のイマジネーションに翻弄されて、ストーリーを嚙み締める余地などありませんでした。そんな自分が悔しくもあり…。
約2ヶ月の時間を経てもう一度鑑賞しましたが、まるで初見のようなワクワク感に満たされながらも、展開を飲み込むことに少し余裕があるからか、感動は数十倍に。
もちろん稀代の芸術家である宮崎監督の思考を理解することなど至難の業ですが、石の塔が”心の闇”、”弱さ”、”未練”などの象徴でもあると捉えると、自分なりに腑に落ちました。


これまでの宮崎作品へのオマージュシーンも続々と登場するので、改めて過去作も鑑賞したくなりました。
特に好きなのは、眞人が怪我をしたと聞き、父が帰って来た時の車の動きと形です。慌てた様子が一目瞭然!実写には表現出来ない、アニメーションの醍醐味ですね。
あの車の再現は、ルパンかな?それともラピュタかな?と考えることも、とても楽しかったです。

どれだけAIが進化を遂げたとて、宮崎駿という人間の想像力を凌駕することはないでしょう。
そう思わずにはいられなくなる作品でした。