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ナイアド ~その決意は海を越える~のyamadakabaのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ハバナ-フロリダ間の103マイル/165kmの遠泳。
60歳で決意し64歳で達成した女性スイマーの実話をもとにした映画。
若くして達成できなかった夢を、30年後に再挑戦するパンクな物語。

一人だけの思いだったものが、ボニーやそのたチームを巻き込んでいく。
4回挑戦し4回失敗する。ナイアドの自己中心的に見える言動もあり、チームは一度解散。たったひとりになったナイアドは挑戦を続けるも、
サポートしてくれるメンバーがいないことには、成功する感じもしない。
ずっと支えてくれていたボニーも、ナイアドから離れることにもどかしさを覚えていた。だから、諦めないナイアドを助けに戻る。そしてチームも再結成。

強情な性格の裏に隠された、彼女なりに挑む理由が、徐々に明らかになっていく。
父につけられた水の精という名前、それが義理の父だったこと、その義理の父から捨てられたこと、水泳コーチにレイプされた少女の頃の記憶...
いろんな思いが、彼女を挑戦に駆り立てる。

海で泳いでいるときに、BGMがかかる演出もいいかも。
スイマーズ・ハイとも言える瞬間がナイアドに訪れ、
泳いでいるときに見える、カラフルな光やタージ・マハルも幻想的。

達成した後にナイアドが言った3つは「ひとつ、絶対に諦めないこと。ふたつ、年齢は関係ないこと。みっつ、水泳は個人競技だと思っていたけど、チーム・スポーツだった」

実際挑戦した時の映像が挟まれるなど当時の達成がわかる映像も随所に。
お約束のようにエンドクレジットでは、ご本人登場、
ミッドポイントでチーム解散、最後は大団円とテンプレ的構成で、
映画全体としては、はおばあちゃんが必死に泳いでるだけのシーンも多い(サメに襲われそうになるなどスリル感あるシーンもあるし、海のシーンは非常にきれいだけれど)ので、正直そこまで目を離せない、というものではない。サブタイトルもちょっとダサいし。
だけれど素敵だなと思うのは、ナイアドが言う、遠泳についての見立て。
「外洋を60キロ泳いだら、金メダルと同じだと思う」28歳で挑戦したときにインタビューで語ったナイアドの言葉。
誰もが認める評価されているものに向かって挑戦するのも大事だけれど、
自分だけでもいいから、価値あるものを見つけ、そのために全力を尽くすこと。そんなことを見つけることも大切だし、行動を起こしてチャレンジすることがもっとも尊い。そういう気持ちにさせてくれた物語。
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