yamadakaba

リリーのすべてのyamadakabaのネタバレレビュー・内容・結末

リリーのすべて(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

世界初の性別適合手術を受けたデンマーク人、リリー・エルベとその妻ゲルダの喪失と愛の物語。トランスジェンダーだった実在した画家の物語。本当の自分を見つけことと引き換えに、死を迎えてしまうが、命を賭けて本当の自分を見つける、そんな闘いの物語になっている。
夫婦関係の心の機微や状況の変化が丁寧に描かれている点が、非常に映画的な構成になっていておもしろい。画家として認められていたアイナーと、売れない画家だったゲルダ。リリーが現れたことで、アイナーは絵に興味を失っていき、ゲルダはリリーに画家としてのパッションを見出し、リリーを描くことで画家として認められていく。皮肉といえば皮肉である。
男性から女性へと変わることを望むアイナー/リリーと、そんな彼を愛するため助けたいゲルダ。助けることで愛する人を失ってしまう。それでも愛することができるのか?アイナー/リリーの本当の自分への渇望とゲルダのリリーへの愛が、変化を可能にした、そんな物語。
監督のトム・フーパーが「アーティストたちの映画だから、彼らが見たような世界を表現したいと思った」語るように、映像もとても綺麗。
yamadakaba

yamadakaba