たにたに

タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスターのたにたにのレビュー・感想・評価

4.6
【Do you trust me?】2023年20本目

20年ぶりぐらいに観ましたが、映画館では初。あまりにも有名な船頭のシーンやラストの別れのシーンなど、擦り切れるほど語り尽くされた印象的な場面も未だ感動を与えてくれる名作であり、3Dリマスター版の非常に綺麗な映像で素晴らしい映画体験となりました。夜回にも関わらず満員御礼でたくさんの人に愛されている作品だとわかります。


貴族階級と下級階層の男女の恋愛物語で、かつ美男美女で、起点の利く二人。
ご都合感もあって物語構成としてはかなり大味なんですが、嫌味が全くないんですよね。

高級家具達は次々とひっくり返って崩壊していき、そのタイタニックという豪華客船の妥協なき作り込み。
浸水していく船から上へ上へと逃げていく人々の悲鳴と容赦なき水の恐怖。それがスリル感あるBGMと点滅を繰り返す照明と共に繰り広げられ、もう映画体験としては完璧なんです。

船上では、死を受け入れて静かに眠りにつく家族や、最期まで自分の仕事を全うする音楽家の仲間達。
死に恐怖して船から飛び降りていく人々。ボートに何とか乗り込もうと殺到する人々。
それを制する警官が銃を発砲したり、船長は自責を感じて一人操縦室で死を受け入れる。
目が合った恐怖に慄く女性が、落ちていく姿。
先にボートで逃れた人々は、ただそれを見て助けにいかない。

主人公達だけでなく、周りの人達達にも視点を向けて我々の心を揺さぶってくるのが非常に巧みで、クオリティが高い。

船が沈むというオチが提示されている中で、見事な人間ドラマを展開させ、3時間飽きさせない。

後世に伝えたい。
胸が締め付けられる、素晴らしい映画です。
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