ひとりごとです

価値ある男のひとりごとですのネタバレレビュー・内容・結末

価値ある男(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

人が発する言葉たちのほとんどが
無責任なものだ

笑ってもらえれば 君はMVP
そこの席にいる「価値」がある
だってその日のその場所で一番だもの

その為に必要な要素は「これ」です

貴方、とお話がしたい
貴方、に見てほしい
笑って、ほしい

目的はただ一つ
自分がそこにいていいのだと感じたい

だからがんばるわ 努力する
ジョークのラジオを聞いて
言われた通りに 表情の練習だって

完璧にしたら
その笑顔を私にも向けてくれるよね

言う通り頑張ったのに
どうしてうまくいかないのか

パン屋さんである 私 は

作り方もその場所も 私 が
一番よくわかっている
だけどそれすらも「価値がない」のか

あの電話はつながっていたのか
ラジオの言葉たちが全て否定に聞こえる

食べ物の価値すら
将来の行き先すら見失ったパンは
私 と一緒

隠してほしいピエロのように
この悲しくてどうしようもなく怒りに塗れてしまった顔の上に仮面を
笑えないと笑ってもらえないと
MVPにはなれない

いつ剥がれ落ちても遅くはないこの仮面
視界は狭い 物もろくに通らない

ああ 嘆いているよう

「見ないで」「触れないで」「面白くない」
「見て」「触れていい?」「笑ってほしい」

誰の言葉で誰の態度で
影響されてしまった人達
何の価値もなくなってしまった 私を
やっと 貴方 は抱きしめる

身体は震えて
やっとほしかったぬくもりがあった
わたしの愛したあなたを「見た」

それほどに、他人の目線は他人の言葉は
わたしたちの目線を支配する

見失って大切なあなたを傷付ける
大切なあなたが価値を失う言葉を
ほかの人に投げかけて

大きな影響を生む
「見ちゃだめ」誰の言葉なの

受け取ってその情報が脳を支配する
「そんなのいいじゃん」
見たい物聞きたいものを聞くな

そこにいるのは 誰なんだ

人間は単純で愚かだ