CureTochan

映画プリキュアオールスターズFのCureTochanのレビュー・感想・評価

4.3
映画が終わったのに、上の娘がシートから立ち上がらない。何かと思ったら、顔が涙でぐしゃぐしゃなので私の手拭を貸してくれとのこと。下の子も面白かったそうで、マクドナルドでの反省会が盛り上がってよかった。二人とも、チケットを日記に貼るそーである。制作サイドも喜ぶことだろう。記念に380円の下敷きを買って、私もオマケのプリキュアカードをスマホの裏に入れた。

久しぶりのミラクルライトを二人ともゲットしたけど、いつ振るのかの演出が定型発達の大人にしかわからないぐらい控えめなため、あまり振ろうとしないので、私が代わりに実施した。かたや、小さな子供だろう、長いこと振り続けてる者もいた。ああやってテンションが上がってライトを振ってしまうというのは、音楽ライブも同じであって、別に自由でいい。シアターもすみっコぐらしの映画みたく少々ガヤガヤしてるぐらいが正しい。ただ、泣きまくっていたうちの娘と、ミラクルライトを喜んで振るチビちゃんたちとのあいだに、何かの乖離があったのは本作の課題かもしれない。大きいお友達向けの要素が豊富であった。つか中学生のわが娘にしてからが、大きいお友達になりかけており、あの妖精とあの娘は声優が同じなんだよ、とか教えてくれた(^_^;) それはいいが、アニメの声優が誰かを事前に宣伝するなんて、野暮の極みだ。邪魔にしかならないと思うし。

プロットの構造がすごく画期的で、まず完全に幼児向けではない。うちの高学年ですらシーンごとの空間的、時間的ジャンプが多すぎて、わかっていなかった。スゲーとは思ったけど、私がグッとくるのはそういう大技より、紫のキュアマカロン―ゆかり様が演じる、あっさりしたツンデレシーンだった。やはり田中コンビは安定感が違った。ラストの悪者の感じが何かに似てると思ったら、マンガ「今日から俺は!」の最後の中野だった。

泣ける要素は卑怯っていうか、誰かも書いていたがアベンジャーズエンドゲーム的なものだ。Fってフレンドではなく、フィナーレのこと?たしかに私も不覚ながら、俺たちの生徒会長・相田マナ様のかつての勇姿を目の当たりにしては涙を禁じえないし、初代プリキュアの9話だかの喧嘩回はビデオで観て、もちろん承知している。子供たちは議論しながら、そのプリキュアは私の世代じゃない、とか言ってくる。いちいち憶えてられるか!とアークのように叫ぶ父。私はトロピカルージュプリキュアはサッパリ観てないし、今のやつも日常回が幼児向けすぎて、キャラもわからないが、彼らは憶えている。あれ誰?って都合2回、ヒソヒソ質問した。テレビは幼稚化して映画は大人へと逆行したら、別物になっていかないかしら。

思えばマーベル映画だって、このように全部を知悉したファンに向けて作っているわけで、それが我々にわかるだけでも僥倖、あっぱれであると思った。

最近のプリキュアは、オープニングの歌だけはすごくいい。よくがんばった。でも変身の音楽は、多幸感満載のドキドキやプリンセスからあとは低調である。

予告も何も見てないので、終わりの歌がいきものがかりだと気づかなかった。音楽は全体に大したことなかったし、聖恵ちゃんの声もあまり活かせていないのか、地味な声のアニソン歌手だなと思った。。個人的には、プリキュア歌手の代表としてキュアソードの声が良かった。音程こそ危ない時がある子だけど。
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