kuu

旅するローマ教皇のkuuのレビュー・感想・評価

旅するローマ教皇(2022年製作の映画)
3.9
『旅するローマ教皇』
原題 In viaggio 映倫区分 G
製作年 2022年上映時間 83分
ドキュメンタリー作品で国際的に高く評価される名匠ジャンフランコ・ロージが、ローマ教皇フランシスコに迫ったイタリア製作のドキュメンタリー。

2013年のイタリア・ランペドゥーサ島から2022年のマルタ共和国まで、37回の旅で53カ国を訪れたローマ教皇に密着。
難民問題と紛争に苦しむ中東やアフリカ、そしてアメリカでは平和について語り、イスラム教を国教とするアラブ首長国連邦や、被爆国である日本も訪問、さらにカトリック教会で起きた性的虐待について謝罪する姿も記録する。

さまざまな問題に耳を傾け、出会い、語る教皇らしい姿のみならず、明るく飾らない人間性も映し出していく。

戦争という冷たい風が、すべての人の日常生活に吹き荒れた。
一部の権力者たちが、いまだに時代錯誤の国益の要求に固執し、紛争を誘発し、あおる一方で、普通の人々は未来を築く必要性を感じている。
それは共にあるのか。。。
それともまったくないのか。。。
      by.ローマ教皇フランシスコ

ちょい古い資料ながら、2019年末日時点の世界のカトリック人口は13億4440万3千人。
約10億人以上の人々がカトリック信者であり、2013年以来、教会のトップはフランシスコ法王。
彼はアルゼンチン出身、史上初のイエズス会出身の最初の教皇である。
もちろん、この人物の使命と影響力、ホンでもっての、人類向上へのコミットメントを尊重し、高く評価するのに、カトリック信者である必要はないかな、小生は抹香臭い事をよく書くが無神論者に近い所を往き来してる者でも同上。
ただ、信徒でもないし、書く内容に誤りは多々あるやも知れませんし、その辺りはご容赦を。
今作品のジャンフランコ・ロージ監督は、2016年のドキュメンタリー映画『FIRE AT SEA/海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島〜』でアカデミー賞にノミネートされたが、本作ではアーカイブ映像やクリップを駆使し、貧困、移民問題、反戦姿勢、地球住民の連帯を訴えるなど、ローマ法王が特定のトピックに焦点を当てていることを記録している。
今作品はまず、フランシスコ法王が法王としての最初の9年間で、彼の心に近いメッセージを広めるために、53カ国を訪問しながら37回の旅をしたことを伝えることから始まっていました。
彼が無関心のグローバル化について語るのを見ると、彼の洞察力を認めずにはいられへん。
各訪問先では、神からの使命を帯びた彼の姿を一目見ようと、あるいは触れようと、大勢の人々が道に列をなす。
彼は、国、政治家、市民がより良い世界のために協力し合う連帯文化の必要性を説く。
前任者たちが享受してきた快適な生活の多くを捨て、社会から疎外されている人々や集団に目を向けるストイックさ。
彼がチェ・ゲバラの巨大な壁画に向かって走るとき、これは本当に強く印象づけられました。
フランシスコ法王は、許しがたい戦争の形姿に語りかけ、平和の形姿であるべきものを押し進める。
1936年12月17日生まれやし、現在86歳のフランシスコは、
愛や平和、そして、理解に満ち溢れている。
繰り返しになりますが、無信心な小生でさえ、こないな立派な特質と彼の献身を信じることができる。
今作品は、ローマ法王の旅行記というよりも、自分の使命と目的に献身し、年齢による肉体的な制約があっても、めったにペースを落とさない男の親密な肖像と云える。
より良い人生、より良い世界、より良い明日への希望を提供してました。

自由を失うことは、夢や希望を失うことではない。
自由を失うことは、尊厳を失うことと同じではありません。いいえ、同じではない。
誰の尊厳も決して触れられてはならず、育まれ、守られ、優しさが示されなければならないのです。
尊厳はインフルエンザ以上に伝染すり。
尊厳は尊厳を生み出すのだ。
     by.ローマ教皇フランシスコ
kuu

kuu