chikichiki

抱擁のかけらのchikichikiのレビュー・感想・評価

抱擁のかけら(2009年製作の映画)
3.7
ペドロ・アルモドバル監督と女優ペネロペ・クルスの黄金タッグ!!

愛と視力を同時に失った男の過去へとさかのぼり、男と運命の女との愛に満ちた日々と悲劇を描いたお話し。

序盤に提示される様々な疑問符を紐解いていく過程の自由さとユーモラスな展開。
独特の色彩で彩られた魅力的な画面内で踊るエキセントリックな登場人物の倒錯したセクシュアリティ。

そんな嫉妬や裏切り、執着と暴力が渦巻くそれぞれの愛憎劇が絡み合う事で生じた、愛による破壊と再生の物語を映画の撮影現場という、映画製作の舞台裏を基軸に展開させるプロットにはペドロ・アルモドバル監督の変態的な映画愛を感じる。笑

そして何と言っても、ペネロペ・クルス演じるヒロインのレナがとっても魅力的で美しい。
コーディネートが変わる毎に変化する表情によって、かつての名女優たちのを思い起こさせるような七変化っぷりも最高でした!!

また『Los abrazos rotos(壊れた抱擁)』という原題やラストシーンから、主人公の今後の希望的観測を引き出すような『抱擁のかけら』という邦題も秀逸。

おそらく、好き嫌いの分かれる癖の強い作かとは思いますが、興味のある方はぜひっ!!
chikichiki

chikichiki