"凄腕老ガンマン VS 150人の無法者"
セルジオ・レオーネ監督の愛弟子、トニー・ヴァレリが監督を務めた、ヘンリー・フォンダ主演の〈マカロニ・ウェスタン+コメディ要素〉の一風変わった西部劇。
(原案&制作総指揮はセルジオ・レオーネ監督が務めています。)
古き良き西部劇を思わせる、牧歌的な雰囲気を残しつつ、ふんだんに盛り込まれたコメディ要素とエンニオ・モリコーネの陽気なスコアが加わる事で楽しくも渋みのある独特の雰囲気が感じられる作品でした。
ド派手な格好をしたノーボディ(テレンス・ヒル)とシックな出で立ちのジャック・ボーレガード(ヘンリー・フォンダ)とが対比的に描かれる中で、憧れるが故に、度が過ぎた行動を取るノーボディのファン心理(熱狂的なおっかけ心)が垣間見えるとろが、なんだか微笑ましい。笑
作品全体に息づき、軽やかな雰囲気を作り出すと共に、本作の持つテーマ性を優しく包み込むようなノーボディの持つ、どこか飄々としたキャラクター性。
そして、ヘンリー・フォンダ演じるボーレガードの醸し出す渋みも素晴らしく、特に終盤の砂埃を巻き上げてながら向かってくる敵の大群を迎え撃つ老ガンマンの背中で語るかの様なシーンには、とってもシビれるモノがありました!!
古き良き西部劇に対する敬意と共に、セルジオ・レオーネ監督自身が過去に手掛けた作品すらも、鮮やかに葬り去るような痛快さと哀愁を感じさせつつ、いい意味でユル〜く楽しめるエンターテインメント性抜群の作品ではないかと思います!!
※ペキンパーの『ワイルドバンチ』やレオーネの『ウェスタン』あたりは近いうちに再鑑賞しておきたい。