このレビューはネタバレを含みます
矢張り人間の営みはコメディで、大喧嘩で、大芝居なのだ。
監督が映画で遊んでいる作品というものはほんとうに痛快で、歯応えがあるなぁ、とつくづく感じる。
中々ここまで振り切った作品を後期に作れる監督っていないんじゃ無いだろうか。
自らの可能性を研究し、新たな魅力を生み出し続ける北野武の、監督としての度量の深さと言うべきか、欲の深さと言うべきか。
そう言う意味では、自ら主演・監督・脚本・編集に携わり、日本史史上最も半狂乱な時代をテーマに作品作りしたこと自体に意味があるように思える。
引き際の美学と言うのだろうか。
「明智が死んだことさえわかれば首なんていらねぇんだよ」
狂気的に首に執着している人間模様を丹念に描いておいて、このセリフで終わるのは本当にずるいと言うか…。ユーモアの器の大きさが違いすぎる。
