このレビューはネタバレを含みます
何だこの輝かんばかりの多幸感は……
観後感が桁違いに満たされる……
まさかラブロマンスの完璧な文脈を新作で、しかも令和の世に観られるとは思わなかった
そしてそれに涙するとは思わなかった
変わらないことがカウリスマキの美徳だとどこかで読んだ
ともすれば陳腐になってしまうかもしれない
けれど確かな技術の蓄積の前では陳腐なんて程遠いのだと
矢張り職人技なのだと
音楽と映像のマリアージュが見どころでもあるカリウスマキ作品
今回は音楽の役割をラジオのニュースが果たしていたように思う
見事現実と地続きのロマンスを叶えていた
そして最後まで冴え渡るユーモアよ…
ゾンビ映画観てブレッソンの「田舎司祭の日記」かゴダールの「はなればなれに」か意見がわかれるおじさんたち、
すごい感性だな
そんでどうしたって冴えちゃう役者陣をここまで冴えなく見せる演出力がすごい
今後は心が疲れた時は絶対カウリスマキ観る