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アポカリプトのchikichikiのレビュー・感想・評価

アポカリプト(2006年製作の映画)
4.0
メル・ギブソン監督作品!!

スペイン人侵略直前のユカタン半島を舞台に、生贄にされそうになった捕虜の脱走と生き残りを掛けた逃走を描く。
(Wikipedia 作品概要欄より。)


複雑な人物設定や小難しい展開などのないシンプルなストーリーながら、巧みな演出によって、終始手に汗握るようなエンターテイメント超大作として見事な仕上がり!

狩猟民族の日常を描いた牧歌的なシーンから、多民族の襲撃を期にかなりショッキングな描写を挟みつつ、後半で一気に怒涛のアクションチェイスへと突入していくという、抜群のテンポで駆け抜けるストーリ展開によって138分にわたる長尺を一切感じさせることのない作品でした。

また、映像としての出来栄えも申し分なく、 露店商や集落にある住居などの美術セットは勿論、彼らの身につけている衣装や装飾品などの小物を含め、細部まで作り込まれた画には非常に説得力がありました。
(細かい時代考証などの点については、よくわかりませんが、マヤ文明っぽさは十分に感じられるモノだとおもいます。)
さらに、そこに加わるジャングルの色あざやかな動植物も程よいアクセントとなっていたように思います。

イケメン・ロナウジーニョ風なお顔をした主人公ジャガー・パウが魅せる極限状態での、素早い判断による、鮮やかな撃退法の数々が面白く、また視界の悪い森の中をその肉体が駆け巡る疾走感が最高でした!!
(→あれだけの敏捷性があればバロンドールも夢じゃない!!笑)

ただ、ラストに関しては「マヤ文明の衰退を描く作品」として宣伝されていた事や「文明が征服される根本原因は、内部からの崩壊である。』という冒頭の語り、パウの父フリントが「恐怖とは重い病だ」という発言などから、素直に終焉を示唆する『黙示録』の物語として理解していましたが…

映画評論家の町山智浩さんのタイトルやメルギブソン監督の思想について言及した意見などを鑑みるとラストのスペイン人の件がどういう意味合いを持っているのかについては、正直判断に困ってしまいました。

しかし、映画として良く出来ているのはまず間違いないと思いますので、結論、面白いので良しとする!!笑

まぁ、強いて言うなら元ネタが『裸のジャングル』であるという事ぐらいは明記すべきだと思いますが…

かなりショッキングなシーンもあるので、苦手な方もいるとは思いますが、そういったものに耐性のある方はぜひっ!!
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