茜

ステップフォード・ワイフの茜のレビュー・感想・評価

ステップフォード・ワイフ(2004年製作の映画)
3.8
観る前に抱いていた印象とは異なり、意外とSF要素の強い映画。
洗脳ものって下手なホラーとかより薄気味悪いし、ゾッとするよなぁって思う…。

内容的には、今の世情的に観る人が観たら逆鱗に触れそうな感じではある(笑)
あと女性が観るのと男性が観るのでは感じることもだいぶ違うのかなぁとも思ったり。
でもステップフォードという狂った町の雰囲気は見た目だけならなかなか可愛らしいし、
ストーリーは最後に意外などんでん返しもありで、自分にとっては予想外の結末だったので面白かった。

自分の理想を相手に押し付ける行為は、夫婦間以外にも友人や仕事関係でも割と身近にある事で、
自分も大なり小なり相手が自分の思うとおりに行動してくれない事で苛立ちを感じた経験も多数あるし、
対人関係の不満って「自分の思い通りにならない」という気持ちが根底にある場合が多い気がする。
そういう誰しもが陥りがちな「自我の押し付け」を盛大な規模で皮肉っている映画なのかなと感じた。

それにしても皆がパステルカラーのお嬢様ワンピースを着て機械的にニコニコしている世界って恐ろしい。
黒い服を着れないなんて想像しただけで自分は気が狂いそうになる。
ドス黒いワンピースにすっぴんボサボサ頭のニコール・キッドマンはそれでも美しい。
茜