140字プロレス鶴見辰吾ジラ

骸骨の踊りの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

骸骨の踊り(1929年製作の映画)
3.5
音の楽しさ

ディズニーによる遥か昔のショートフィルム。
題材は骸骨が墓石からヌッと復活して夜な夜なドラッギーに踊り狂うという悪趣味な道楽モノ。

しかしそこはディズニーのホップさ加えてクリエイターのセンス溢れる音楽が軽快に彩ります。

音楽による反復法
音楽による対句法
音楽による擬人法

ディズニーらしいオーバーリアクションでの小気味良さと、ときおり画面に乗り出さんばかりの骸骨のホラーギミックとしての恐怖感のプレッシャー。やはり骸骨は怖いものであるとしっかり植え付ける骸骨たちの悪趣味な戯れもいちいち脳裏にこびり付きます。

愛くるしい動物たちの平和な夜を蹂躙しながらも朝日の恐怖に逆に混乱する骸骨たちの生み出す、これは悍ましいとしか言えないクライマックス造形に絶望的なセンスを感じてしまいました。

子供の頃に見たらトラウマになるか才能の糧になるかとある種の劇薬的なサムシングを感じる作品でした。