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インビクタス/負けざる者たちのbackpackerのレビュー・感想・評価

4.0
監督:クリント・イーストウッド
主演:モーガン・フリーマン、マット・ディモン

アパルトヘイト(人種隔離)政策が撤廃され、南アメリカ共和国で黒人初の大統領となったネルソン・マンデラ(演:モーガン・フリーマン)は、民族和解・協調を目指し、自国開催のラグビーワールドカップで、国の代表チーム『スプリングボックス』に「優勝」を託す。

イーストウッド監督作品は、社会派人間ドラマが多いですが、本作もその例に漏れず、実在の人物・実際の出来事のドラマチックな部分に焦点を当て、感動大作として完成しています。

時間は134分と長めながら、無駄の無い内容と巧みな展開で、遥かに短く感じます。
冒頭からの30分くらいなんて、瞬く間に展開していき、本当に短く感じました。

劇中言葉で示されることも多々ありましたが、アパルトヘイトによる白人と黒人の対立構造が、ビジュアル面でもわかりやすく描かれているのも素晴らしい。
基本的にはマンデラ大統領とピナール主将(演:マット・ディモン)の心情に深く切り込みつつ、ボディガード、チームメンバー、官僚、ピナールの家族etc.……と、大量の登場人物の内面も適度に描き、どのような変化が起きたのかが一目瞭然という点も親切設計。

総合的に、脚本・カメラワーク・役者の演技・画作り等、全てが良くできており、スポーツ映画・ヒューマンドラマ映画・社会派映画等として、大変面白い、素晴らしい出来栄えの映画ですので、万人におすすめできる良作映画でございます。


余談ですが、本作では、監督の御子息スコット・イーストウッドが、スプリングボックスのスタンドオフ(ラグビーの司令塔ポジションです。詳しくはラグビーのポジション解説を調べてみてください)ジョエル・ストランスキー役として登場します。

息子だから重用することは、イーストウッド監督には無いと聞いています。
その上で、決勝戦の全得点を叩き出したジョエル・ストランスキー役をスコットが演じたということは、役者としての力量を父が評価した結果なのかな?なんて思っています。
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