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不意打ちのMTMYのレビュー・感想・評価

不意打ち(1964年製作の映画)
3.5
停電が起きる、家のエレベーターが止まる、女が閉じ込められる、空き巣が入る。
それだけ、の大雑把な展開にもかかわらず、
何度かパンチを食らうはめになる作品だった。
前半と後半で大きく見方が違ってきたこのお話、とりあえず「理不尽にも閉じ込められたかわいそうな貴婦人」は
ある意味で大きく変化してくる。

女はエレベーターという檻の中に閉じ込められた。が、女は閉じ込めた存在でもあった。檻は家それ自体でもあった。

家の外はいろんな人が行き交うジャングル(秩序や理性がないところ)かもしれない。
綺麗に飾った住宅内はそんな世界とは一線違う世界である、
はずだった。少なくともジャングルとの接触の前までは。
だがその内なる世界はその接触によって 一種暗黙化していたジャングルとして顔をみせてくるのである。
その主が、あの女。

原題にある ケージ、
ある意味で あえて エレベーター と限定しなかったのはまさしくだと思いました。
邦題の 不意打ち、
それはお話の中の過程で起こる事態の説明に過ぎない気がして、私は原題の方が好きです。

セットや特殊効果のチープ感は別として、興味深かった作品です。
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