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彼方にのkuuのレビュー・感想・評価

彼方に(2023年製作の映画)
4.0
『彼方に』
原題 The After
製作年 2023年。上映時間 18分。
悲しみと小さな希望の光を描いたNetflixのドラマチックな短編映画。
凄惨な事件で家族を失った後、ライドシェアサービスのドライバーとして失意の日々を送る男は、ある乗客を乗せたことをきっかけに、自らの悲しみと向き合うことを余儀なくされる。。。

微妙なタイミングやテンポを操り、結論を押し付けるんのやなく、観る者をうながすコツを身につけた監督にはめったにお目にかかれへん。
今作品のミサン監督はデビュー作として『彼方に』を完璧に演出し、最初は一瞬のように見える映像が、効果的に人の潜在意識に留まり、刻み込まれる。
主演の演技もさることながら、今作品は短編映画ながら印象深い。
また、原理を説明しながらもインパクトがあり、心に響く。
ふとした瞬間に起こりうる恐怖や悲しみだけでなく、今作品には多くの心、感情、強さがありました。
煽動的な事件の部分で、完全に理解できない瞬間があり、
"なんでなんや?"
ちゅう疑問が湧いた。
この瞬間は、鑑賞後の会話で100%説明することができるが、より効果的だったのは、そもそもこの曖昧さが生じなかったことやろう。
疑問が生じたことで、その場でのつながりが断ち切られてしまった。
もし、娘と同じようなアプローチで、(曖昧さのない視覚的な)即座に理解できるようなものであったり、母親の最終的な行動(あるいはそのような思考や行動に向かう微小な傾向)をほのめかすような、たとえ小さなものであっても事前の設定があれば、その処理は理解しやすかったかもしれない(2時間の長編よりも、20分以内の短編の方が時間の流れが速いんやし)。
監督に使える時間は少ないので、視聴者に効果的に伝える余裕がない)。
その瞬間もまた、それ自体があっという間であり、もしかしたら、その衝撃を妨げていたのは、その瞬間のアングルだったのかもしれない。
今にして思えば、『なぜ』『ここで何が起きてんのか?』 ちゅう疑問は、それを見ていた主人公自身も持っていた可能性が高い。
メロドラマに傾きそうになるところを、ストイックなまでに抑制して見事にバランスをとっている。
彼のタイミングは非の打ち所がなく、行き過ぎるギリギリのところで、瞬間瞬間のトーンの変化を微妙な手つきで抑制している。
これは、映画のエンディングで最も完璧に例証されている。
あの瞬間、観てる側は(メロドラマ的すぎるかどうか)疑問を抱き、引き気味になるやもしれないが、彼の呼吸が変化するにつれて、(主人公に何が起こっているのか理解した後は)完全に引き込まれ、畏敬の念を抱かせるような啓示に変わった。
毎日垂れ流されよるニュースサイクルやメディアの洪水のおかげで、私たちが生きているソーシャル・メディアの世界では、注意力の持続時間はかつてないほど短くなり、座って、じっと座って、集中することはかつてないほど難しくなっている。
ファンタスティックな映画で、ミサンのさらなる活躍に期待している。
美しくてパワフルな経験を頂いた。
サクサクッと観れる善き作品でした。

寒い夜に、寒い世に徒然に。
おもいっきり泪を流し泣いて気持ちがスッキリとしたこと、そして、その後に深い眠りにつけたこと小生はよくある。
きっと主人公はそんな事さえ忘れて、心を抑え日々を繰り返してたんやろな。
形は違えど、心を抑え日々を過ごしてる方も少なくはないと思います。
そんなときは、泪をいざなう映画を再生してみたり、酒の助けをかりてでも泣いて欲しい。
抑え込まれていた感情は泣く事で発散され、その後は落ち着いて、冷静に物事を考えることができるものやと小生は実感してます。
『泣く』 ちゅうことにネガテ ィブなイメージをもっておられる方も多いかと思いますが、泣くことがどのような心理的効果があるんか。
泣くことは、心身共にメリットが多くあると小生は思とります。
嬉しい ときも悲しいときも、気持ちの高揚を落ち着けようとする体の自然な反応が、泣くということなんちゃうかな。
それを抑えちゃ心身に良くない。
涙の役割は、大きく分けるとしたら。
目の機能を保護する『基礎分泌の泪』、
外部からの刺激による『反射の泪』(反社の泪ではあらしませんので)、
感情が高ぶることによる 『情動の泪』 。
てのがあるかな。
泣くことのメリットって、心のデトックス効果が挙げられる。
慢性的なストレスにゃ、心臓疾患のリスクを高めることや脳に損傷を与え、消化器官の潰瘍、緊張性頭痛、偏頭痛等々の疾病に繋がる。
泪には、コルチゾールと呼ばれるストレス成分を低下させる作用がある。
このコルチゾールは、 別名ストレスホルモンと呼ばれてて、心身の健康に悪影響を及ぼす。
そのため、泪にゃ、ストレスホルモンを体外に排出するデトックス効果があると云える。
泣いたあとになぜか気持ちがスッキリしたと感じんのはこのためかもしれない。
今作品の主人公は男哭きしたあとキット少し前よりスッキリした顔になっとるはず(想像やけど)。
あと、泣いたあと、暫くしたらリラックスした状態になる。
リラックスした状態てのは、副交感神経が優位な状態にあることを指す。
副交感神経は『休息の神経』なんて呼ばれ、活性化すると血管を広げ脳の血流がよくなるため、身体がリラックスした状態になる。
副交感神経が働いて泪を流すことで、気持ちが落ち着く。
つまり、泣くことでリラックス効果があると云える。
そこで、妻と娘の事を少しずつ整理していけるはず。
また、眠ること以外で副交感神経へと切り替える唯一の方法が、泣くことだとも云われているため、睡眠と同等のリラックス作用があるともいわれてる。
主人公には、泪のあとは良質な眠りが必要やろしぐっすり眠りについて欲しい。
就いたと信じたい(これまた想像やけど)。
まぁ『泣く泣く教』の教祖じゃないが、(そんな宗教あるか分かりまへんが)、泪には安眠効果もあると最近云われてる。
思いっきり泣いた後に、疲労感を感じていつもより 寝つきが良いと感じられたり、熱感をより感じたりした経験をされた方も少なくないと思う。
小生は馬車馬の様に働いてた両親を思い夜な夜な泣く崩れて眠りに就くことも幼少期は多々あったしこの効果は絶大かな個人的には。
そのうえ、その疲労感はスッキリとしていて、 心地良い疲労感と感じられる場合が多くあります。
また、精神の安定や安心感や平常心、頭の回転をよくして直観力を上げるなど、脳を活発に働かせる鍵となる脳内物質であるセロトニンも増えるということが分かってる。
泪の中には、苦痛を和らげるエンドルフィンとい うホルモンも含まれてて、このエンドルフィンの鎮静作用は、モルヒネより大きいともいわれており、痛いときに涙を流すということは、人体の仕組みとしても理にかなっているものであるといえる。
今作品の主人公は抑えに抑え尽くした心に、きっと亡き妻子が与えてくれた安らぎなんやろなぁ。
そして、いつの日か自分を解放できるたと信じたいなぁ。
まぁ、今、抑えに抑え苦しくなってる方も泪を流すということに、大きな意味があると云うことをも一度思い出して、大いに泣きましょう。
涙を流すことで、自分の本当の気持ちに気付き、自分に対する理解を深めることや少しずつ自分を解放できるようになる人もいる。
自分の気持ちを抑え込みがちな人は、感情を表に出してみる機会を作ってみることや我慢ができない時には、泣いて自分を解放させてあげることも重要なんちゃうかなぁ。
なんて、今作品をみて思いました。
横路それまくり太郎で🙇。
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