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FEAST -狂宴-のsymaxのレビュー・感想・評価

FEAST -狂宴-(2022年製作の映画)
3.1
父は覚悟する…"何があっても息子を守る"と…

息子が起こした交通死亡事故…父は息子の罪を被り刑務所へ…一方、被害者家族は、一家の大黒柱を失ってしまい生活に困る事に…父の言いつけもあり、被害者の妻を使用人として雇う加害者家族…刑期を終え帰ってくる父に対し、被害者の妻は祝宴の準備を始める…

ポスターや予告編は、どんだけヤバい作品なんだろうと思わせ…フィリピンの鬼才ブリランテ・メンドーサ監督作品だけにかなり身構えての鑑賞でしたが、こちらの予想を覆す作品でした。

事故の瞬間から出所までを章立てし、各章の初めに聖書を引用するある意味、"宗教映画"とも言える内容であった事にオドロキ…

貧富の差は、どうやっても揺るがない残酷な現実…裕福な家族が案外良い人ばかりで、どう捉えて良いのか、そーとー悩んでしまう…ラスト美味美味いと言いながらひたすら食べる加害者家族とひたすらその姿を見つめる被害者家族…松田優作並みに"なんじゃこりぁ"と叫んでしまう…

どうあがいてもひっくり返る事は無いというフィリピンの現実を見せ付けられる展開でありましたが、加害者がひたすら食べ、被害者がひたすら給仕する構図になんだか底知れぬ恐怖を感じ、下手なホラー映画よりも怖いんじゃないかと…
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