【歓び】2023年101本目
「無防備都市」のロベルト・ロッセリーニ監督作。
フランチェスコと、彼について行く修道士達。この作品は、いくつかのエピソードからなる章立て形式。しかし、その物語には繋がりがない。さらに、初めに字幕で話の筋が語られしまうというネタバレ構成なのだ。
様々な悲しいこと、苦しいことも、彼らは全て"歓び"と捉えます。
自分が損しても誰かの役に立ったのであればそれで良いのだと。
「私は今からここに横たわる。私の口を片足で押さえつけ、私を罵倒するのだ」
たしかこんな感じでフランチェスコは自分の行いを悔い改めようと仲間の修道士達に頼んでいたような気がする。
我々には理解し得ない領域だ。
ロッセリーニはフランチェスコをタイトルにしつつも、フランチェスコ自身を主人公に置かない。
本作に登場するキャストは、ほとんどが演技経験のない素人や本物の修道士だ。
そんな彼らの歓びの表現が実にリアルに、神々しく映し出される。