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ア・フュー・グッドメンのクレセントのレビュー・感想・評価

ア・フュー・グッドメン(1992年製作の映画)
4.6
全ては終わった。被告の司令官大佐がついに本音を吐いた。部下の制裁を命令したのは貴方でしょう大佐? 私だと? お前たちがのうのうと暮らしているのは誰のおかげだと思ってるのか。大佐、命令したのは貴方ですよね。そうだ。だから何だ。国防もわからずに、お前のしたことはこの国を軟弱にさせるだけだ。国民を危険に晒しおって。違うか坊ず。坊ずなんかじゃない。私は米国海軍の士官で法務部員です。大佐、貴方を逮捕します。この人でなし!軍事法廷の陪審員は一度退席すると判決状を裁判長に渡した。大佐の命を受けた2人の兵士は無罪となった。しかし軍紀を犯した罪で除隊が勧告された。これを聞いた若い兵士は訳が分からず、隣にいた上等兵に聞いた。何故なんです上等兵殿。何がいけなかったのですか。上等兵はしばらく考えた末に静かにこう答えた。我々は間違っていたんだ。我々は仲間に制裁を加えるのではなく、弱かった彼を助けなければならなかったのだ。この会話を遠くから聞いていた若い法務部員は上等兵にむかってこう叫んだ。君は誇りある人間だ上等兵!上等兵は振り向いて彼に言った。上官殿に敬礼!そういいながら彼は右手で法務部員に敬礼した。そして彼もまた敬礼を返しながらお互いを讃えたのである。上官は絶対である。そして軍は規律である。
この物語は上官が規律を捻じ曲げた時そこには悲劇が介在することを教えている。どこの世界にもあることだが。
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