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チェンバー/凍った絆のYYamadaのレビュー・感想・評価

チェンバー/凍った絆(1996年製作の映画)
3.5
【法廷映画のススメ】
グリシャム原作⑤
『チェンバー/凍った絆』(1996)
〈フィクション (1996年 /ミシシッピ州 ) 〉

◆法廷の争点
爆破殺人犯の死刑執行の回避について
・犯行が共犯であった場合、減刑されるべきではないか?
・犯行時に心神喪失の状態にあったか?
・犯行の動機の背景にある、先祖から蔓延る人種差別風習に対して、情状酌量の余地はないか?

〈見処〉
①祖父ジーン・ハックマンを死刑から
 救え!グリシャム原作サスペンス
・『チェンバー/凍った絆』(原題: 「The Chamber」=「司法議院」と「ガス室」のダブルネーミング)は、1996年のサスペンス映画。
・本作も他のグリシャム原作作品同様にアメリカ南部を舞台とする。1967年、ミシシッピ州でユダヤ人弁護士の家族を爆破殺害した事件の実行犯として、白人至上主義団体KKKのサム・ケイホール(ジーン・ハックマン)が逮捕。
・1996年、ケイホール対する死刑執行まであと1ヶ月。シカゴの若き弁護士アダム・ホール(クリス・オドネル)は、幼年期の1980年にケイホールの死刑宣告を機に自殺したイホールの息子であり、アダムの父の真相を究明するため、全く勝ち目がないケイホールの弁護を買ってでたが…。
・本作は、ガス室による死刑執行が28日後に迫った人種主義殺人者の生命を救うべく、その孫である若き弁護士が奔走するサスペンス。
・90年代のハリウッドにて映画化権の争奪戦が繰り広げられたベストセラー作家ジョン・グリシャム。本作の場合、『ザ・ファーム 法律事務所』(1993 )のプロデューサー、ジョン・デイヴィスにより、原作発表前の時点で映画化権を獲得。50百万ドルの制作費に対して、23百万ドルの興業収入ね終わった。
・主演は『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』(1992)のクリス・オドネル。ジーン・ハックマンとフェイ・ダナウェイは『俺たちに明日はない』(1967)以来29年ぶりの共演となった。
・また、NFLとMLBの二刀流選手、ボー・ジャクソンが看守役で映画デビューを果たしている。

②クリス・オドネル
・本作の主演クリス・オドネルは、22歳にて主演した『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』(1992)で名優アル・パチーノに堂々とした演技を披露しブレイク。本作にて、ゴールデングローブ賞最優秀助演男優賞にノミネートされ、若手スターの注目株に。
・本作は、メジャー作品『バットマン フォーエヴァー』(1995)と『バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲』(1997)の間に製作。
・同じプロデューサー作品『ザ・ファーム 法律事務所』(トム・クルーズ、ジーン・ハックマン共演)同様に、人気若手俳優とレジェンド俳優の組み合わせにて製作されたが、本作以降、マネーメイキングスターっしての価値が暴落、2000年代以降は、
TVドラマを中心に活躍している。

③結び…本作の見処は?
グリシャム原作映画、最大の不人気作品であるが、破綻したプロット作品構成の賜物により!?、最後まで緊張感を持って鑑賞出来る作品

◎: 死刑執行を待つ名優ジーン・ハックマンによるラスト20分の演技だけでも、鑑賞の価値あり。
■: (ネタバレ防止のため評価記号なし)
浅い作品?深い作品?
ラスト1分まで、以下伏線がどのように帰着するか、想像出来なかったの自分だけだろうか?
・若手弁護士オドネルによる法廷戦術の行方は?
・ミシシッピー州知事の思惑は?
・被害者家族の英断は?
・祖父の死刑執行の諾否は?
▲: 本作でゴールデンラズベリー賞にノミネートされたフェイ・ダナウェー。晩年を汚すオーバーな演技と厚化粧は、イタダケナイ。
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