🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2021-700 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋 ラオール・ウォルシュ監督が自身の作品『ハイ・シェラ』を西部劇として生まれ変わらせてセルフリメイクした作品です。オリジナルとどちらが良いか議論はありますが、どちらも完成度が高い作品です（個人的には『ハイ・シエラ』の方が好きかも）。

🖋西部劇として銘打ってますが、『ハイ・シエラ』よりよりラブストーリー的な要素が大きいです。主人公（ジョエル・マクリー）が密かに愛した女性、実はファムファタール的な女性を、ドロシー・マローンが清楚な美しさを醸し出している反面、最期には結ばれる先住者との混血の荒々しい女性をヴァージニア・メイヨが巧く演じています。

🖋そして西部劇的な駅馬車との追跡劇やコロラドの壮大な景観も見どころですが、何よりもラストが秀逸。手を握り合って最期には結ばれる2人と、教会の鐘、そして牧師の台詞“幸せな2人のカップルの寄付によって街が復興しました。。。”、このバランスがいかにも素晴らしい！！

😢Story:（参考:Amazon ）
不幸な絆に結ばれたふたりは、ひとりも祝う者がいない中、荒野で結婚式を挙げ、束の間の喜びを感じ合い希望にすがり生きていこうとするが…。

🔸Database🔸
・邦題 :『死の谷』
・原題 :『Colorado Territory』
・製作国 : アメリカ
・初公開 : 1949
・日本公開 : 1950/05/05
・上映時間 : 94分
・受賞 : ※※※
・監督 : ラオール・ウォルシュ
・脚本 : ジョン・ツイスト、エドマンド・Ｈ・ノース
・原作 :『 ハイ・シェラ』
・撮影 : シド・ヒコックス
・音楽 : デヴィッド・バトルフ
・出演 : ジョエル・マクリー、ヴァージニア・メイヨ、ドロシー・マローン

🔸Overview （参考:映画. com）🔸
お尋ね者とあばずれ女の悲恋を描く西部劇。ジョン・トゥイストとエドモンド・Ｈ・ノースの原作の映画化で、脚本はトゥイストとノースが執筆。製作はアンソニー・ヴェイラー、監督はラウール・ウォルシュ撮影はシド・ヒコックス、音楽はデイヴィッド・バトルフ、編集はオウエン・マークスが担当。出演はジョエル・マクリー、ヴァージニア・メイヨ、ドロシー・マローン、ヘンリー・ハル、ジョン・アーチャーなど。

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ならず者ウェス・マックイーン（ジョエル・マクリー）は最後の仕事と決め、コロラド（ヴァージニア・メイヨ）らとともに列車強盗を計画する。しかし、仲間は裏切り、恋心を抱いていたジュリー・アン（ドロシー・マローン）は賞金に目がくらみ、ウェスとコロラド2人の逃避行が始まる。

「白熱」のラオール・ウォルシュ監督による西部劇。

西部劇なんだけど、登場人物は善悪が曖昧で、2人のヒロインも一筋縄ではいかないキャラクター設定になっていて、「俺たちに明日はない」などのアメリカン・ニューシネマを彷彿とさせる作りが面白い。

ロマンス部分は薄っぺらく、銃撃戦もそこまでではないけど、アウトローたちの末路が味わい深く描かれる。
ラスト、“通りすがりの幸せな2人” という言葉が皮肉で悲しい。

「翼に賭ける命」のドロシー・マローンは清楚なヒロインが馴染まないなーと思ってたら、予想どおり裏の顔を見せてくれたし、「我等の生涯の最良の年」「白熱」のヴァージニア・メイヨはセクシーで勝気な流浪の女がハマってた。

ショットの丁寧な連鎖で、映画のお手本のように物語が展開していく。ならず者の脱獄に始まり、「この大仕事で最後だ、今度こそ俺は堅気になるぜ」というおよそ叶う筈もない願いをかけて男たちが列車強盗を計画していくまで、その滑らかな語り口に前半こそうっとりしていたが、後半にかけてややメロドラマ化してしまい、戸惑った。というのも、酒場のアバズレ女と、清楚な農場娘という、西部劇において死ぬほどコピペされているキャラクターのステレオタイプをあえて反転させる意外性は、しかし、逆説的にはそのステレオタイプに依存したものでしかないからだ。「オチ」も余分と言えば余分。