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長靴をはいた猫のMOCOのレビュー・感想・評価

長靴をはいた猫(1969年製作の映画)
5.0
「昼間だったら身の破滅だって!そうかわかったぞ!」

 東映アニメーションのシンボルキャラクターの「猫」が初めて登場したシリーズ第一話。

 宮崎駿氏の『ルパン三世 カリオストロの城』の時計塔内のデザインと時計塔の戦いの原形がこの映画の魔王ルシファの城にあります。『カリオストロの城』ファンの人は観るべき作品。宮崎駿氏が「『ルパン三世 カリオストロの城』は東映時代にやってきたことの大棚ざらえで作った」と語ったことが一目で理解できます(私の「カリオストロの城」のレビューに関連コメントがあります)。

 国王が「この世で一番大金持ちで、この世で一番武勇の優れた人物をローザ姫の婿にする」という御触書を出してしまったために、花婿候補として現れた魔王ルシファからローザ姫を守る猫のペロと少年ピエールの戦いを描いた逸品。シャルル・ペローの童話「長靴をはいた猫」を原作につくられています。

 魔王ルシファを含め愛嬌のあるキャラクターはキャラクターデザインの素晴らしさと性格付けの上手さのお手本のような作品です。声の出演者の石川進さん・藤田淑子さん・益田喜頓さん・小池朝雄さん・水森亜土さん・愛川欽也さん・榊原ルミさんなど抜群の個性でアテレコをされています。
 主題歌をはじめ作中の歌も全て素敵で思わず口ずさんでしまいます。

 冒頭に紹介させて戴いた城の闘いはとても良くできていて、子供の心でハラハラ・ドキドキ観る大好きな映画です。当時の子供向けアニメの中で群を抜いた良質作品です。多くの人に観てもらいたい映画です。
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