運命の恋、そう信じたかった。

辻村深月が上梓した同名小説を、萩原健太郎監督、藤ヶ谷太輔、奈緒主演により映像化したドラマ。
マッチングアプリで知り合った婚約相手の女性が突如失踪し、探し出そうとする主人公の姿を描く。
原作は未読。
主人公となる婚約した二人、西澤架と坂庭真実を藤ヶ谷と奈緒、真実の両親を阿南健治と宮崎美子が演じているほか、倉悠貴、桜庭ななみ、菊池亜希子、西田尚美、前田美波里等が登場。
物語は、婚活アプリで主人公二人が出会うシーンでスタート、その後付き合うこととなったが、真実がストーカー被害を訴えたあたりから、徐々に不穏な空気が漂い始め、真実が寿退社するための送別会の翌日、忽然と姿を消してしまうというサスペンス調で進行、後半は架が真実を探し出そうとする中で、彼女の過去と失踪の謎が解き明かされていくのだが、この後段は恋愛要素が強められているため、これをどっちつかずと捉えるか、一粒で二度美味しい構成と考えるかで評価が分かれるのではなかろうか。
また、結婚して子どもがいる身としては、主人公二人よりも、世間体を気にし、良かれと思って悪気がないものの自分の価値観をゴリ押ししてくる真実の母親と、それを咎める父親という構図の方が気になってしまい、反面教師としたいと感じたと同時に、その実家がある前橋では、結婚相談所が存在するという絶妙な地方感が醸し出されており、前田演じるその所長が発する台詞が何気に核心をついていたのは良かったところ。
クルマ好きの視点からすると、倉演じる高橋が乗る軽トラがダイハツ・ハイゼットなのだが、そんな中でもリクライニングシートを採用したジャンボだったのは、なかなか見ないグレードであったのに加え、ミカン農家らしく、キーホルダーにミカンのマスコットがついていたのは芸が細かく、小道具への拘りが感じられたポイント。
原作未読であるため、その再現度は不明ながら、恋愛の先にある結婚とは何かの一つの解をわかりやすく伝えてくる内容であったとともに、サスペンス好きの私としては、物足りない点があったのだが、婚活アプリを知らない世代としては、藤ヶ谷や奈緒のようなルックス、スペックの人が候補者に出てくるのは奇跡なんだろうと思いながら、三本ハシゴの締めとしては悪くなかった一作。

だから私も、言いたいこと言いに来た。

辻村深月のベストセラーの映画化

現段の悩める婚活世代の言葉にしにくいジレンマを見事に現す「傲慢と善良」

タイトルがプライドと偏見みたいだなと思ってたら劇中でも使われていた😅

婚活アプリにより、箱庭社会を飛び出すこれまで無かったマッチングがリアリティとなる反面、善良であることのプレッシャーと、相手の属性や好みに関しては譲れない傲慢さの不自然な同居をベースとした物語

クラフトビール醸造会社2代目、ゲレンデに乗り、オメガの時計した勝ち組系の架(藤ヶ谷太輔)と地元でのお見合いに限界を感じ群馬から出てきた英会話スクール事務の真実(奈緒)

二人の間の本気と体裁のバランスが悪くなり、途中からミステリー的展開に
え、そっち行くのか⁉️と思ったが基本は、あくまで婚活映画だった

東京ではステイタスな2代目社長が地方に行くと、不安定な自営業の人と判断してしまう真実の母(宮崎美子)が妙に刺さった

超セレブ感のあるお見合いおばさん、前田美波里の美貌と若さに驚く。
その昔若大将とビキニで海辺走ってた女優さん、真木蔵人の母‼️

お互いにカッコ悪くなったところから始まるってのが良かった

藤ヶ谷太輔くんのだんだんカッコ悪くなって行く様がとても良かった‼️

女友達2人は最悪👎

【誰かに恋するって簡単なことじゃない💔】
奈緒さん目当てで鑑賞。バリ可愛かった！！！

💍全体の感想
恋愛観より結婚観のお話だった。恋愛や結婚って頭で考えるより気持ちの部分が大きくて、自分の努力や意思ではどうにもできないことが多いから、こういう人を好きになれたら良いのにって思う主人公の気持ちにとても共感した。そして予告でも流れている結婚相談所の仲人さんが言っている言葉は一つ一つが重たくて理解が追いつけないまま次のシーンに移ってしまった。恋愛になると途端に言語が理解できなくなっちゃう俺がいけない🙈

💍髪型の変化
主人公（奈緒）の前髪が東京にいるときは綺麗にブローされていて東京から離れたら生え際のくせがでて真ん中で分かれてるところとか、架くん（藤ヶ谷太輔）も婚活に励んでるときはライトなツーブロックでセットしてるけど婚活をやめたらツーブロックじゃないナチュラルな髪型になってたり、髪型の変化と心境の変化をリンクさせた演出が見ていて楽しかった。

💍婚活アプリ
婚活アプリってどのサービスもわりと結婚願望の項目がたしかあって「今すぐ/3年位内/良い人がいれば」みたいな選択ができた気がする。このあたりの描写がないから2人の結婚願望の温度差にあまり説得力が生まれなくて、2人はどの項目を選んでいたのか？によってこの話の見方が変わってくるなと思った。主人公は遠慮して"3年以内"にしてそうだし、架は一番どっちつかずな"良い人がいれば"にしてそう。

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⚠️この先、ネタバレあります⚠️
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💍好きなシーン
「今度ドライブ行かない？」からの一連のやり取りが凄く可愛かったら。好きって言ってないけど相手がそういう意味か…！て気付いて、考えといてよって締めるところとか最高。最高の告白。言葉足らずで遠慮がちな2人の波長というか雰囲気がすごく合っててお似合いだった。頼む、一緒になってくれ。

💍時計への視線
婚活中の女性がチラッと相手の腕時計を見るシーンが何度か出てきたけどこのシーンって男性と女性で見え方が違いそうだなって思った。高そうな時計やブランド物を持ってる男性に対して「お金持ち」って思う人もいれば「お金使い荒そう」と思う人もいて、婚活中の女性ならなおさら浪費家な男性は避けたいだろうから割と後者のタイプは多いんじゃないかな。大事なのは収入の多さじゃなくて支出の内訳ってよく聞くし。

💍レストランでの会話
素敵なレストランで主人公が言った「自分ばかり贅沢しちゃって申し訳ないな。家族にも食べさせてあげたい」の台詞は、きっと「じゃあ今度家族も一緒にごはんしようよ！僕も挨拶したいなって思ってたし…結婚を前提にお付き合いしてますって（照）」「架くん…！（泣）」みたいな展開を作りたかったんだろうなって思った。彼女なりのアプローチは控えめすぎて彼には届かなかったけど。がんばってた。

💍ネックレスの話
素敵なレストランで小さなジュエリーボックスを渡されたら、そりゃ指輪かもって期待値あがっちゃうよね。誕生日プレゼントは嬉しいけど、一瞬でもプロポーズかもって期待しちゃったあとだと嬉しみは半減するし、その流れでBBQに誘われたとなったら「きっと彼の友人たちに値踏みされるだろうから頑張らなきゃ」って気負うのもわかる気がする。

💍ストーカーの話
ストーカーに遭ってるわりに部屋のカーテンが遮光じゃなくて丸見えだったり、ストーカーに後をつけられて怖い思いをしてるときに連絡するなら彼氏じゃなくて警察に電話だし、色々と詰めが甘くて、主人公が嘘ついてるか映画の脚本がいまいちかのどっちかだろうなぁ…と思いながら観てた。あと命の危険さえある状況なのに警察に電話しなかった彼氏も危機感ないな〜って思った。ふたりとも温室育ちなのが伝わってくる。

💍害悪な友だち
自分の感覚でいうと、男友達が彼女を連れてきたらまずBBQの二次会にその人は誘わないし、なんなら彼女をおうちまで送ってあげなって一緒に帰らすわ。なんで2人が別々になって彼女が夜道を一人で帰らされてるのか意味わかんなかった。BBQでのあの気遣いはどこにいったんだ。ことあるごとに元カノのことを持ち出してくる女友だちも腹立つし、架の動向を一つのエンタメとして楽しんでる節があるし、こういうデリカシーのない人たち凄い苦手。一軍女子のダメなところを誇張したようなキャラクターだった。絶対2人もストーカーをでっちあげて意中の相手にアプローチしたことあるだろって思った。

💍選べない子
主人公のように自分の意思で何かを決めることができない人って、学生時代とかだったら「誰かが付き合ってる彼氏」を横取りしがちだよね。他の人が選んだ男の人が正解って思ってる節があって、自分からは積極的にアプローチはしないけど、寄ってきそうなネタをあちこちに撒いて引っ掛けるっていうか。それでいて男が寄ってきたら「だめだよ、彼女が悲しむよ？」って言いながら自分を選ぶように仕向けて、本カノとの修羅場になったときには「自分はだめってちゃんと言った」って言い訳ができるように用意するまでがセット。この主人公がどうだったかは別として、選べない女子ほど恋愛で厄介なタイプはいないぞ、と思いながら観てた。

💍その他、いろいろ
・前半〜中盤くらいまでカメラの手ブレで酷くて、久しぶりにカメラ酔いした。後半からは固定カメラで撮るシーンも増えていったので、前半のハンディの意図はなんだったんだろう…？
・彼氏のほうは元カノを忘れるために婚活を始めていて、主人公のほうはお母さんを見返すために婚活を始めてるように思えた。
・自己主張がないタイプは自己主張が強いタイプに囲まれるっていう典型的なパターンが、主人公にも彼氏にも見られて物凄く根っこの部分は似てるんだろうなって思った。
・結婚式のプランを決めてくれなくてマリッジブルーになって失踪したのかと思った。違った。
・会社経営者に向かって自営業と言い放つお母さん。さては公務員か士業系しか認めないタイプか？
・これからの町おこしは毎回自分をフッた相手の恋人と顔を合わせることになるのちょっとキツイなぁー
・ほんとの陰キャはインスタに顔写真なんて載せないぞ。
・ビールといい、バースデーケーキの名前といい、めちゃ匂わせててけっこうヤバい女だった。本名でインスタやってたぽいから、たぶん彼氏の女友だち2人はこのアカウントをとっくに特定していて酒のつまみにしてると思うぞ。
・結局、最後も他人の言葉に背中を押されて自分の気持ちに気づくパターンなのか…うーーーん。そして最後まで結婚願望70%の誤解はとけないまま終わってしまった。
・そっち選んじゃったかーーーー！