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シャイニングのshxtpieのレビュー・感想・評価

シャイニング(1980年製作の映画)
3.5
なんだか急に観たくなって。たぶん小学生か中学生のころ以来の鑑賞だから、10数年ぶりの『シャイニング』。ほとんどすべてのシーンをおぼえていたから、当時のじぶんにとってはよっぽどトラウマだったんだろう。まさに“トラウマ映画館”。119分版でなく、143分版のdvdが観られたのがまたよかった(ワーナーはどうか143分版のブルーレイのリリースを……!)。

まず、この映画はウェンディ・カルロスのスコアがすごい。狂ってる。ヴォリュームもでかい。おそろしい。『サイコ』と並び、このパーカッシヴで不快でいやーな無調感の強い弦楽がのちのホラー映画のスコアに与えた影響はかなり大きいだろう。

それにしても、むだがほとんどない、タイトな映画だ。まるで長さを感じない。前半で手札(舞台装置)が開陳され、後半でそれを存分に活かした展開を見せるのには几帳面ささえ感じる。

カメラがよく動くのが意外だった。動いていたり後ずさりしているひとをよく追いかけるフォロー・ショットの連続。それもそのはずで、ステディカムを効果的に使用した黎明期の作品らしい(ステディカムといえば『ロッキー』だけど)。著名な「血の海」のシーンと並んで、フィクスでシェリー・デュヴァルの顔を煽り気味に捉えたショットがもっとも印象的だったが、どこかというのは説明しがたい。

ジャック・ニコルソンの演技にはなんだか笑ってしまい、デュヴァルの迫真の演技に見入った。
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