◾︎ガメラシリーズ第9作
【作品情報】
公開日 :1995年3月11日
作品時間 :95分
撮影 :ビスタビジョン
監督 :金子修介
製作 :土川勉
製作総指揮 :徳間康快
脚本 :伊藤和典
音楽 :大谷幸
特技監督 :樋口真嗣
出演 :伊原剛志、中山忍、藤谷文子、螢雪次朗、小野寺昭、ほか
【作品概要】
大映製作、東宝配給。
金子修介監督、樋口真嗣特撮監督、映画史に名を残す特撮映画の金字塔・平成ガメラ三部作の記念すべき第一作にして、ガメラ誕生30周年記念作品である。
1980年の『宇宙怪獣ガメラ』から休眠期間に入ったガメラは、84年に『ゴジラ』が復活したことを受けて、再始動を開始。
監督・金子修介、脚本・伊藤和典、特技監督・樋口真嗣という布陣にて、ガメラのシリーズ再構築(オリジンのやり直し)が行われている。
人間目線の怪獣描写が高く評価され、第27回星雲賞の他、多くの賞を受賞している。
【作品感想】
昭和ガメラから平成ガメラへと時が流れ、超音波怪獣から超遺伝子獣へと進化したギャオス。
このギャオス、最高です。
生物的な生々しさに、化け物としての悍ましさが加わり、人間を襲い喰らう姿の直接的な残酷描写と、咀嚼音等のリアリティが、不気味な怪物として、見る者に恐怖を植え付け、たまらなく最高です。
染色体がどうこうという話の時に、なんだか聞き捨てならん間違い(YY染色体)ざあったことに今更ながら気付きましたが、そんな些細な点はどーだっていいのです。
古代文明の残した碑文による、現代とのリンク等、歴史の匂いを感じさせる物語は、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』に通ずるものがありますね。
東京タワーを半分破壊して、まるで巣のようにギャオスが鎮座する様は、最高の一言。
オレンジ色の太陽光とのコントラストは、本作一番のカットですね。
【ガメラシリーズ所感等駄文その②】
私が初めて見たガメラ映画は、『小さき勇者たちガメラ』です。
その後、かなりの年月を経て、本作を見たのですが、当時は本当に度肝を抜かれました。
それまでは、怪獣映画はゴジラシリーズを主戦場にしていたのですが、本作の特撮シーンは、ゴジラでは見たことがない迫力満点で、それはもう面白かったのです。
たちまちガメラの虜になり、3部作一気見した結果、大満足を覚えた私の怪獣熱は……急速冷却!
以降、「怪獣映画はたまに見るけど、サクッと見れるゴジラに偏重」という状況が数年続きました。
これも単に、平成ガメラ三部作が面白すぎた→内容的にホイホイと見られなかった、ことが原因です。
そんな平成ガメラ三部作、2021年上半期にゴジラ全作品見返し&レビューをしたことを受け、満を辞して見返すことにしましたが……やっぱり圧倒的に面白い!
巨大な怪獣に襲われる(食われる)人間の恐怖という点では、やはり本作が素晴らしい。
人間サイズの化け物との戦闘という点では、次作のレギオンは(ビジュアルも含め)怖くてたまりません。
人がゴミのように死ぬ様という点では、三作めの渋谷大破壊なんか言うことなし!
平成ガメラ三部作は、怪獣特撮映画でも傑作と名高いシリーズですが、今見てもまるで色褪せず、ますます輝きを放っているようにすら感じられます。
まだ見たことのない人には、是非とも見ていただきたい名作ですので、ウォッチリストに是非ご登録ください。