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ジム・ヘンソン:アイディアマン

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ジム・ヘンソン:アイディアマン

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『ジム・ヘンソン:アイディアマン』に投稿された感想・評価

3.8
セサミストリートの生みの親であるジム・ヘンソンのこれまでの軌跡を描いたドキュメンタリー。
馴染みのある人形を作りかつ操作もするので、彼がいたから人形劇に愛着があるように感じます。「マペット」は、「マリオネット」と「パペット」を組み合わせたものだと初めて知りました。
Anne
4.6
ジム・ヘンソンと言えば……

『セサミストリート』『マペット・ショー』を生み出し、『ダーククリスタル』『ラビリンス』なども手がけたクリエイター。人形劇と映像技術を融合させ、これまでにないキャラクターや世界観を次々と生み出した、超も超の天才クリエーター。

私もセサミストリートで知ったカーミットが、子供頃から大好。そして映画『ラビリンス』のマペットたちも本当に大好きで、子どものころから何度も繰り返し観て、今でも大好きな作品。興行的には失敗だったらしいが、今も根強いファンはたくさんいる。

ジム・ヘンソンの断片的な制作映像は今までも観たことがあったが、ちゃんとしたドキュメンタリーを観るのは初めてかも。未公開映像もかなり含まれていたようだ。

いやもう、なんと言うか……。あまりにも彼という存在が凄すぎて、かなりくらった。

ただ単にマペットを作る技術が凄いとか、そんなことじゃない。タイトルの通り、次から次へと新しいアイディアが湧き出してきて、それを形にしていく。

ジム・ヘンソン自身も、自分ほど仕事を楽しんでいる人間はいないんじゃないかと話していたが、本当に楽しそう。それに、そのペースが半端じゃない。本当にこれだけのことを、たった一人の人生の中で生み出せたのかと驚かされた。

その凄さはぜひドキュメンタリーで観て欲しいので、詳しい話は置いておいて、今回私が1番心に響いた話を。

ジム・ヘンソンと言えばカーミットなのだが、カーミットが「緑でいるのも楽じゃない~」と歌う「Bein’ Green(It’s Not Easy Being Green)」という歌がある。

この歌について、ジム・ヘンソンの息子が「彼はどんな文脈でも、部族主義を称賛しない。類似性でなく違いを愛すれば、戦争などなくなると思っていた」と話していたことが、カーミットが歌う歌詞と合わせて聞くと、心に刺さった。

この歌自体は調べたらジム・ヘンソンが書いたわけではないらしいが、映画の終盤でも息子が、「彼は、創造性、芸術、メタファーが、善のための大きな力になることを示した」という趣旨のことを話していて、そこから「人間の中にある善を理解させ、笑わせることができる」という話へとつながっていく。

ジム・ヘンソンの葬儀には、たくさんのパペットも集まっていた。参列者はみんな、小道具として使われている蝶々の付いた棒を手にしていて、そこには笑いも起こっていた。

そして途中でビッグバードが「Bein’ Green」を歌う。

その歌詞を聞いて、泣いてしまった。

深いな。

「僕は緑だ。それでいい。美しい。それが僕のなりたい姿だ」


______

余談。

「Bein’ Green」は、作詞・作曲をジョー・ラポソが手がけ、1970年に『セサミストリート』でジム・ヘンソンがカーミットとして歌った曲。

最初のカーミットは、

「緑だから目立たない」
「もっと赤や黄色や金色ならいいのに」

と、自分の「違い」=欠点だと思っている。

ところが最後には、

I am green and it’ll do fine.
It’s beautiful.

つまり、

「僕は緑だ。それでいい。美しい。そして僕はこれでいたい」

に変わる。

これは単純な「自分らしく」という歌以上に、「他者と違うことを、違わないように矯正する必要はない」という歌として読むことができる。

ジョージタウン大学の『セサミストリート』音楽史の資料でも、この曲は人種的な違いと誇りを肯定する歌として位置づけられている。
マペッツとセサミストリートの生みの親、
ジム・ヘンソン

成功しようが失敗しようが次から次へと内に秘めた新たなアイディアの実現に挑み続ける男。

実験映画『The Cube』(1969)はヴィンセント・ナタリの『キューブ』(1997)に影響を与えたのかな。

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