交通事故で記憶の一部がおぼろげになったユリは、不動産屋で働きながら慎ましく暮らしていた。そんなある日、宮内という男が部屋探しにやって来る。その日以来、“靴”に対してなぜか異様な感覚を持ち始めるユリ。そしてついに“それ”は現れた。何かをユリに訴えかけるように不気味に蠢く“靴の生きもの”―――。その靴に足を通した瞬間、謎の残像や何者かの声が次々にユリの脳裏に浮かび始める。やがてユリはその靴の生きものに導かれるように、自身の過去にまつわるひとつの真実にたどり着く。
ファッション・フォトグラファー出身で、『フローズン・タイム』で映画監督デビューを果たしたショーン・エリスの長編第2作。親しい人を別人と思い込んでしまう脳の症状「カプグラ症候群」を題材にして…
>>続きを読む©「歩女」ソイチウム