スピルバーグが制作に関わってそうなテレビで放送される往年の名作みたいな質感なのに新しめのCGがでてきてプロットは学生映画みたいな雑なメロドラマというチグハグさが良すぎる

半年前に森美術館の展示で見た作品
人間のユーモアを研究する博士が作った小型のコメディロボットが、ポルトガルのとある村で、女の子に恋する話
30分の短い作品にこんなに心奪われると思ってなかった
村ではしゃぐ子供たち、そこに浮かんでるロボット、観葉植物しかおいてない洗練されすぎた博士の部屋、コンクリートの建物と建物を繋ぐ不思議な空中廊下の群れ、どのシーンを切り取っても絵になる
優しくて美しくて、胸が苦しくなった いつか、ポルトガルに行きたい
今のところ、日本からもう一度見る手段はなくて、本当に悲しい
一期一会だった映画

往年のハリウッド映画を感じさせる質感でありながら、素朴な恋物語が描かれているギャップに引き込まれた。ショートフィルムなのに詰め込みすぎない所も秀逸で、下手に強弱をつけすぎずに淡々と進んでいく感じが好きだった。
プロット的には簡素だが、映像技術とフレーミングがシンプルに上手く、世界観が出来上がっていた。技術を見せびらかすのではなく、あくまでAIと人間とのラブストーリーを見せるための手段として用いている所が刺さった。