狂熱のふたり~豪華本「マルメロ草紙」はこうして生まれた~を配信している動画配信サービス

『狂熱のふたり~豪華本「マルメロ草紙」はこうして生まれた~』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

狂熱のふたり~豪華本「マルメロ草紙」はこうして生まれた~

狂熱のふたり~豪華本「マルメロ草紙」はこうして生まれた~が配信されているサービス一覧

狂熱のふたり~豪華本「マルメロ草紙」はこうして生まれた~が配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
WOWOWオンデマンド
アニメタイムズ
Roadstead
J:COM STREAM

『狂熱のふたり~豪華本「マルメロ草紙」はこうして生まれた~』に投稿された感想・評価

橋本治の美意識の本作り。ここまで豪華本は浮世絵の世界だった。日本の印刷術の匠の技もあるのかもしれない。橋本治の美意識は、独占するものではなく分かち合う美なのかと思う。

ここでも装丁家の岡田嘉夫との共同作業を通して、橋本治の物語よりも絵も含めての浮世絵というような豪華本になっている。その作業工程で様々な人が関わって一冊の本として完成していくのが面白い。そもそも橋本治はアイデアを出してそれを実現させていくユニットのような仕組みが見ていて楽しい。背景を布の生地から作るとか色指定の侃々諤々の議論、さらに印刷の技術もありそれらが現代の浮世絵のような本を作っていくのだ。3万の本は高くて私は買わないと思うが、図書館にあったら見てみたい。
も
5.0
ものづくりに関わるすべての人に。

タイパ、コスパと言うのが当たり前になった現代に、真逆をいく作業のひとつひとつに羨ましさでため息が出てしまう時間でした。どんなに楽しいことか。

あえてインタビューなどは挟まずに現場をひたすらに繋いでいるのが、会議の横で黙ってそれを覗いている感覚になれます。ここに出ていない映像にもまたたくさん面白いものがあるんだろうなと思うと、後半のTOPPANの現場でのDTPの色合わせ〜箔押しの真鍮の型作りや製本あたりはもっと見てみたいので、DVDや配信の未公開映像枠で期待しています。

よく作家→デザイナー→印刷 のような立ち位置と思われがちなのですが、実際はどの人も同じ立場で、当たり前ですがすべての工程にプロがいないと良いものは完成しません。普段はあまりスポットの当たらない製版の現場や製本、DTPまで映してくれていて、きっと印刷の現場の人たちが見たら嬉しいやら緊張するやらという感じでしょう。CMYKのバランスの話など、グリーンとピンクを同時に鮮やかに出すのがいかに難しいか(通常C(シアン)のボリュームを上げればM(マゼンダ)は燻んでしまうので)など、TOPPANの技術を少し覗けることができます。(しかし実際どうやってあの色のバランスを出したかは分からない。通常はビビットな色を出す時は別版で特色インクを使い鮮やかな色・蛍光色などを出すし、CMYK濃度のバランス調整だけではああはならないような気がするため、どんな調整をしたのか?)

デザイナーである中島さんのセリフでにやけてしまったのが「今日はここまで(どのドレープ背景をどのシーンに使用するか)決められたらと思っています」というもので、デザイナーは企画を形にすることだけではなく、企画と印刷の間に入って全体の進行もする役割であることが、あの一言で表現されていたような気がしてちょっと嬉しかったです。デザイナーはデザインだけではないのです。苦労するのでございます。

またTOPPANでDTP作業をしていた女性、グラデを普通に出すとラインが出るのでノイズをかけるという作業、だいたいはあの作業をしないで一度色校正を出して、ラインが出ていることを指摘されたら直すという人が多いと思うのですが…とにかく、全ての工程でその道のプロが選ばれてこの150冊を作ったということがよく伝わりました。

ああいった現場で、デザイナーと印刷担当は「やっぱりこっちの方がよくない?(変えない?)」という企画者の一言が最も怖いみたいな空気がありますが、この現場の印刷会社の方は、グラデはこっちの向きの方が良いと思います…と自ら意見していて、しかもそれが採用されている(するの!?)という面白い事態に笑いが出てしまいました。橋本さん・岡田さんも指示するだけではなく、全ての人の意見を聞いて一緒に作っていきたいという姿勢でいるので、ああやって全員が意見を出せる空気なんだろうなと、いったいホワイトなのかブラックなのかどっちなんだという現場ですね。出版社の方がスケジュールを切ってくれなかったら、またゲラを出して、やっぱりこっちの方が良くない?いいね〜という遊びがずっと続いているんでしょう。

今デザインの現場では、DICカラーチップも使わない、そもそも色校正も出さない、紙も一番安い薄いもので…なんて流れが当たり前になっているので、貴重な資料映像を見せていただいた気分です。これは、デザインや編集を学ぶ学校などでも見せるべきなのではという気がします。

橋本さんの「宝石箱をばらまいたように」という最初のアイデアは結局は実行されませんでしたが、この映像が、宝石箱をばらまいたように仕上がっています。
ポレポレ東中野で年末に見そびれたのを、ジャックアンドベテイで見ることができました!

橋本治さん、そもそも「男が編む!ニット」とかいう手芸本の記事で初めて知って、桃尻娘から何やらかんやら読みました。
めちゃくちゃ複雑な模様編みの編み物しながらだと読書がはかどるってどんな頭脳⁈って思って、受験勉強の時真似しようとしてできなかったのを思い出します。

すっごい頭良くて、美しいものが好きで、権威とか規制とか既存するものには興味がなくて、世の中をもっと美しく楽しくしたいと思ってた人っていう印象です。

岡田嘉夫さんのことは知りませんでしたが、とても感性が合いそうなお二人ですね。
記録映像中で、「これではお金がかかり過ぎる!」とか、経費を問題視する発言がほんとに聞かれなかったのがさすがです👏
間に挟まるデザイナーの中島かほるさんという方が、全く水を差すようなことを言わず、作品のことだけを尊重しているのも素晴らしいと思いました。
関わる人たちの熱量が高くて、より良いものを目指す姿勢が尊い。それだけで見ものです。
定価35000円、150部限定の8年越しの製本をOKとし得るの懐の深さは集英社が持っていたというのは喜ばしいことです(さすがに150部では話題にならなかっただろうとは思います)

世の中、お金で回ってる社会ですが、採算は取れるところで取ればいいじゃない、採算が取れないけど面白いこと、いいもの作りをしちゃいけないわけじゃないじゃないっていうスタンスを見せてくれるお手本だなと思いました。

映画化していただいてありがとうございました。

『狂熱のふたり~豪華本「マルメロ草紙」はこうして生まれた~』に似ている作品

ナイトクルージング

上映日:

2019年03月30日

製作国:

上映時間:

144分
3.9

あらすじ

視覚がなく、光すら感じたことのない全盲の加藤秀幸は、ある日映画を作ることを決める。加藤は、映画製作におけるさまざまな過程を通して、顔や色の実体、2Dで表現することなど、視覚から見た世界を知…

>>続きを読む

ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの

上映日:

2013年03月30日

製作国:

上映時間:

87分
3.8

あらすじ

ハーブ&ドロシー夫妻のコレクションは、半世紀を経て5000点近くまで増え、国立美術館でも収蔵しきれなくなる。そこで2人は、全米50州の美術館に50作品ずつ寄贈することに。この前代未聞の計画…

>>続きを読む

過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道

上映日:

2021年04月30日

製作国:

上映時間:

112分
3.6

あらすじ

スナップショットの帝王として知られる森山大道は、国内外の若手クリエイターから絶大な支持を集めてきた。菅田将暉や宇多田ヒカル、木村拓哉、ONE OK ROCKなど、時代を彩るトップスターを積…

>>続きを読む

ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人

製作国:

上映時間:

87分
3.8

あらすじ

世界で一番有名な素人アートコレクター夫婦の実像を映すドキュメンタリー。現代アートを集めるのが趣味の郵便局員ハーブと図書館司書のドロシー、30年こつこつと作品を集めてきた二人にアメリカ国立美…

>>続きを読む

メットガラ ドレスをまとった美術館

上映日:

2017年04月15日

製作国:

上映時間:

91分
3.9

あらすじ

2015年5月2日、NYメトロポリタン美術館(MET)。伝説のファッション・イベント《メットガラ》が華やかに幕を開けた。主催は“プラダを着た悪魔”こと、アナ・ウィンター。彼女が招待したのは…

>>続きを読む