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青銅の基督
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『青銅の基督』に投稿された感想・評価

桃龍
3.5
Leminoを今月でやめるので、Leminoにしかないこれを見た。
青銅の基督とは、踏み絵に使うキリストのレリーフのこと。終盤、隠れキリシタンがそれを踏むのかというシーンに泣いた。
たぶん原作がいいんだと思うが、さらに素晴らしい映像化。それぞれ十字架にかけられた10人以上の男女が火あぶりにされるシーンは凄い。
長崎に30年いた私は、カラーだったらスコセッシの『沈黙ーサイレンスー』に並ぶと思う。
Renkon
-
「基督」をキリストって読むことすら知らんかった。
つい先日遠藤周作の「沈黙」を読んだばかりで(ミーハーでしょ?)沈黙にも出てきた転びバテレンのフェレイラが今作にも出てくるとの事だったので「トゥルーロマンス」を蹴ってこっちを観た。
キリシタンに対する当時の幕府の弾圧は調べてみればみるほど酷いもので、隠れキリシタンは「穴吊り」という穴の中で宙吊りにされる拷問を受け、捕縛された宣教師は神への信仰自体を自ら否定させるために「転ぶ」よう追い詰められていた。

宣教師の中にも最後まで信仰を捨てず、結果命を落としたものもいたそうだが、フェレイラは様々な責め苦を与えられた末最終的に"転んで"しまう。
命も助かり一転厚い待遇を受けるフェレイラだったが、実はここからが本当の地獄で、マゲを結って沢野忠庵という名を与えられた彼は、隠れキリシタン断絶の手助けをさせられるのだった。
それまで「神父様」と崇められていた彼にとっては正に生き地獄。
こんなおぞましい事が、実際にこの国に存在していたという事実に対し心底恐ろしいと思った。

フェレイラを演じたのは滝沢修。
まぁ彫りが深くて、一瞬マジで日本語のうまい外国人俳優かと思った。
沢野忠庵になった辺りから微妙に悪い顔に変化していく機微の表し方が絶妙にうまかった。

正直踏み絵を作製するシーンで居眠りしてしまったのだが、登場人物がバッタンバッタン張り付けされるシーンが圧巻。

ちょっと近い背景で作られた映画だと「徳川SEX禁止令色情大名」を想起したけど、それ以外で関連のオススメ作品があったら教えていただければと思う。

(@シネマヴェーラ/2015.7.8)
渋谷実、1955年。
原作は長與善郎の同名小説(1923)。

17世紀江戸時代の切支丹弾圧、タイトルでもある「青銅の基督」が出て来た時に少し泣いた。意外で、予想外の登場の仕方だったから。情念の強弱はあっても、種類で分けないのが素敵。
実話を元にしているらしい。萩原裕佐という鋳物師を演じたのは岡田英次さん。脚色は多いだろうけれど、この人は本当にいたんだろうな。

信仰、倫理、嫉妬、愛憎が絡んで、山田五十鈴さん演じる君香や、信欣三さん演じる絵師がとっても良い。価値観が善悪や二元論に拠らず、揺れてブレて行く、弾圧する役人も含め完全な悪が作られない。勿論拷問や処刑は残酷ではあるけれど。
ただし管理、抑圧、弾圧への目は厳しい。人間の愚かさや弱さが、拠り所にするものによって価値を変え、時に一種の力へと生まれ変わる。誰かを傷つける。

和蘭屋敷や隠れ切支丹の礼拝場所、拷問部屋と牢屋、庭に遊郭など、美術が凝っていて見所たくさん。白黒で、昼間の眩しい白さが際立つラストシーン。

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