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青春デンデケデケデケのRのレビュー・感想・評価

青春デンデケデケデケ(1992年製作の映画)
4.4
ものすごハートにキュンキュンくるカワイイ映画だった! 四国の片田舎に住む高校生、竹良が、ある日ラジオでベンチャーズのパイプラインという曲を聴いて勃起。同級生のメンバーを集めてロックバンドを始める! って話で、かなり王道と言える青春バンドストーリーに、ほのかな恋愛エピソードや先生たちとの関係とかを盛り込みながら進んでいくんやけど、演出や編集の仕方がものすごく変わってて、まったく普通の映画に見えない。一番目立つ特徴が、映像自体の、のんびりした、いなたい、ノスタルジックな色彩とは裏腹に、カメラワークと編集が目まぐるしいこと。ぐるんぐるん動き回ってズームとかしまくる上、カットが細かくわちゃわちゃしてる。最初はちょっと鬱陶しいと思う人もいるかもしれないが、だんだん独特のテンポと賑やかさに慣れてきて、かなり面白い!と思うはずである。ただひとつ思ったのは、カットが細かいのと同様に、ひとつひとつの付随的エピソードも短く細かいのが続くので、全体として尺が長く感じるかなーってこと。けど、その欠点を大いに補ってるのが、もーとにかくサイコーにアホ丸出しのキュートなボーイズ!!! と、彼らの喋る訛りまくった日本語! 訛りすぎてて何言ってるのか分からないシーンもあるが、ストーリーが単純で分かりやすいから、まったく問題にならない。1960年代を生きた田舎の皆様は、こんなにシンプルで素朴な人生を送っていたのか!って思わされる。特に大きな刺激があるわけではないけどそこそこ幸せ、的な。今みたいに刺激はあるが空虚、複雑で疑いと不安ばかり、ってなライフとは正反対。しかも昔の田舎は選択の幅も狭いから、これがしたい!ってのが決めやすい。これもごちゃごちゃしすぎて何すればいいか分かりにくい現代と違う点。この映画見てると、物質的豊かさと精神的豊かさが残念ながら反比例してるよなーと思う。我々もこんくらいシンプルに生きるべきやわ。ワケの分からん空気の読み合いとかやめてな。あ、ただ、私自身ド田舎出身なので、田舎には田舎の問題があるのは重々承知の上で述べておりますよ。最後に、音楽は当然のごとく素晴らしいです。ちょっと一気に演奏うまくなり過ぎやけど笑 まぁ彼らの主観にはそんくらいに聞こえてると解釈しよう。あと、浅野忠信の若き頃がかわゆ過ぎて驚いた! 喋り方あんま変わってない笑 岸部一徳の独特の存在感もいつ見ても良いですねーーー。
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