社会風刺がすごい。中国人の強みであり、根本的な苦悩である人口。それは社会競争力や牽引力を生むだけでなく資本主義化した社会は今や這い上がることは難しい。そんな事を感じますね。


〈ストーリー〉
エリート階級であった45歳の主人公が部下を庇ってクビに、その後1000社にエントリーするも中国の労働市場ではこの歳は見向きもされない。家族環境的にお金がない家系で頼りであったが為に家族をピンチに追いやってしまう。そんな中、デリバリーの仕事にありつけてデリバリー社会の現実を突きつけられる。それでも努力に努力を重ね遂には最優秀賞を取るのであった。


〈評価と感想〉
中国で生活したら嫌でも感じる美团外卖。主に農民戸籍や小産階級の仕事であるUber配達の仕事における過酷さを物語に落とし込んでいる。その現実感が実生活でも大変よく感じれるためグロいところもしばしば。今の中国社会の汚点とまでは言わないが、交通ルールを破ってしまうほどの社会競争力、バブル期を彷彿させる“お客様は神様”理論が今に生きている。中国で公開されてるとは思えないほどの社会風刺が個人的には刺さった。

普通に笑えない社会風刺がすぎる
映画を見て思ったのは、この散りばめられた記号をそのまま受け取ってもいいものか、はたまたその記号を取りこぼしている感覚にしかならない。それは現地に身を置いていないかどうかも一つの要素としてはあるけど、その取りこぼしの分だけ自分の弱さを知る。

中国らしい綺麗にまとめた映画。配達ドライバーへの配慮と感謝を。労働して金稼ぐのは大変だ。