何事もすぐに諦めてしまう妹。
クロスカントリースキーのレースに出場するために、毎日練習を欠かさない兄。しかし家庭は深刻な危機。
妹のやる気を出させるために、強引に兄と共に54kmのビルケンに出場させられる。
果たして無事に完走出来るのか。
窮地の割には、どこかみんな余裕に見えてしまうのは、ノルウェーの大自然に寄るのか。
間違った道から正しい道を見つけるためには、自分で進んで行くしかない。
どんなに遅くても、見ていてくれる人は、きっといる。
家族は、大勢の方がいい。
こう言うのが、ノルウェーのコメディなのかな？

お金や子育てなどで人生が上手くいかない状況のエミリーは、クロスカントリースキーに夢中になっている兄イェルムンと一緒に、54Kmに及ぶ距離でのクロスカントリースキー大会の「ピルケン」に出場することになる。そこでエミリーは、自分自身の人生観を徐々に見出してく。
クロスカントリースキーを通して、兄妹が衝突しながら目標にむけて前進していく姿が素晴らしく感じました。このスポーツも、体力と持久力が必須になると実感しました。

ノルウェーの作品。

観客にとっては一見、
些細な出来事の連続に見えるかもしれない。

しかし、登場人物たちにとっては、
まさに人生を左右する重要な選択の瞬間。

進むべきか、止まるべきか、
止まるのがポジティブ、
進むのがネガティブ、
というようなテーマの上に立ち、
物語は進んでいく。

彼らにとっては、この問いは単なる心の葛藤ではなく、
生きるか死ぬか、選択の重さが背負う真剣な問題だ。

その様々な問題をノルディック競技大会への出場という、
日常的な出来事と人生の転換点を巧妙に重ね合わせたシナリオに沿って進行する。

競技の進行とともに、登場人物たちは自分自身と向き合い、
人生の目的を見つめ直していく。

最終的にどんなゴールが待ち受けているのか、
だんだんと気になってくる構成だ。

また、ユーモアも各所に散りばめられており、

例えば「またこんな所でトイレ…」とか、

裸の男たちが・・・というような小さな日常的な出来事が、

物語にリズムを与えている。

そんな小さな瞬間の積み重ねが、
登場人物たちの大きな変化を象徴しているかのようでもある。

人生において重要な決断を前にして、
観客もまた登場人物たちと一緒に進むべき道を考えさせられる。

見終わった後、ただの映画ではなく、
自分の人生にも何かしらの気づきをもたらす作品として記憶に残る観客もいるだろう。